アクセシビリティとは
アクセシビリティとは「どのような人にも使いやすいのか」、また「どのような人にも確実に情報が伝わるのか」をあらわす言葉です。高齢者や障害者などハンディを持つ人にとっても使いやすく、理解しやすいつくりになっているのかという点がポイントになります。
何故アクセシビリティが重要なのか
現在インターネットは、日常生活や社会活動にとって欠かせない情報源となっています。総務省の調査によると、障害を持った方のインターネット利用率は、視覚障害の方で69.7%、聴覚障害の方で81.1%という結果がでており、インターネットは障害を持った方の貴重な情報源のひとつになってきていると言っていいでしょう。
(平成15年 総務省調査 「障がいのある方々のインターネット利用率」東京都内16歳から49歳の障害を持った男女が対象)
また、アクセシビリティに関する世間の動向を見てみますと、アメリカでは、2001年に連邦政府の調達に関して、ウェブ制作における障害者へのアクセシビリティの保障を義務付ける法律ができました。
また日本においても、2004年に、ウェブアクセシビリティに関する日本工業規格(JIS)が制定され、アクセシビリティに対する取り組みの注目度が高まりつつあります。
そのような背景から高齢者や障害を持った方にも配慮したホームページ作りの重要性が高まり、アクセシビリティが重要視されるようになってきました。
利用経験・環境の違いに対する対応
①特定の機種や通信環境に限定せず、多様な環境で操作を可能にする。
②パソコン初心者や情報通信が不馴れな人にも操作、利用を可能にする。
マイアイランドチェックポイント
・装飾文字、機種依存文字は使用しない。
・半角カタカナは使用しない。
・ブラウザはIE7、NC7.1以上、OSはWindows98、Macintosh10.4以上で検証。
・音声ブラウザでの動作に支障がないよう制作する。
・現在のページがサイトのどの位置にあるかを表示する。
・ページが長くなる場合は、適切なナビゲーションを付ける。
・プラグインや特定の技術を用いて表示するコンテンツがある場合はその旨を知らせる。
・文字の入力欄がある場合、入力内容をわかりやすく例示する。
・文字の入力には時間制限を設けない。
・誤った操作をした場合でも、元の状態に戻れるようにする。
可能な範囲内で対応していくべき事項
・各ページはA4で印刷できるサイズを標準とする。
・必要情報に到達するまでのクリック数をできるだけ減らす。
・省略語、外国語、専門用語、流行語、俗語を乱用しない。最初に意味の説明を行う。
・書体、サイズ、色、行間、背景色などをスタイルシートを用いて記述する。
・サイトの基本操作は固定的なインターフェイスで行えるようにする。
高齢者、障害者への対応
- 視覚が不自由な人への対応
- A 視覚を用いなくても操作、利用を可能にする。
- B 視力が低い、視界が狭い人でも操作、利用を可能にする。
- C 色の識別が難しい人でも操作、利用を可能にする。
- 聴覚が不自由な人への対応
- 聴覚を用いなくても操作、利用を可能にする。
- 身体が不自由な方への対応
- A 片手だけでも操作、利用を可能にする。
- B 手、足、指、義肢の限定された動きだけでも操作、利用を可能にする。
- 身体の安全を害することなく操作、利用を可能にする。
- その他の障害についても可能な限り対応をする。
マイアイランドチェックポイント
・すべての画像、アニメーションにALT属性をつける。重要ではない画像等にはALT=””とだけ入れる。
・見出し、段落、リストなどを使い分け文書の構造を明らかにする。
・各ページに内容を識別できる適切なタイトルをつける。
・単語内にスペースを入れない。例)説 明→× 説明→○
・画像のみでリンクする場合は代替テキストを付ける。
・アクセスできないリンクやオブジェクトがある場合、代替テキストなどで内容を把握できるようにする。
・グラフや図など画像のみで内容を伝えるものには代替テキストを付ける。
・グラフなどで色の違いにより識別される情報は、色なしでも識別可能にする。
・形や位置だけでしか識別できない情報は提供しない。または代替方法を用意する。
・背景色と前景色のコントラストを明確にして、識別しやすくする。
・音声だけで伝えられる内容がある場合は、別途代替テキストなどを用意する。
・マウスなしでキーボードだけでも閲覧、操作を可能にする。
・予期しない移動、激しく点滅するオブジェクトやテキストは使用しないか、停止できるようにする。
・リンクで別のウインドウを開くときにはユーザにその旨を知らせる。
・文字の大きさは利用者が必要に応じて変更できるようにする。
・文字色と背景色のコントラストを明確にして、読みやすくする。
・リンクやボタンは識別しやすく、操作しやすいよう配慮する。
可能な範囲内で対応していくべき事項
・表組みのためのテーブルをレイアウトに乱用しない。
・音声ブラウザで読めない文字(顏文字、記号、その他)は乱用しない。
・飾りやアクセントのためのボタン、画像等は乱用しない。
・共通に使われるナビゲーションのためのリンクやメニューなどは読み飛ばせるようにする。
・音声ブラウザの機能を理解し、可能な限り弱点に対応する。
その他、管理上の対応
可能な範囲内で対応していくべき事項
・アクセシビリティの指針を明確化し、その品質を容易に維持管理・向上できるようにする。
・ウェブコンテンツに関して、利用者の意見を収集する窓口を用意し、アクセシビリティ向上に努める。
・サポートに関する問い合せ窓口を用意して、利用者と適切なコミュニケーションを行う。
・利用者からの問い合せは電子メール、電話、FAXなど、可能な限り複数の方法を提供する。