無料ツール

GoogleのAI「Bard(バード)」とは?日本語版公開は?初心者向け解説

対話型による文章作成AIが世界中の注目を集める中、ついにGoogleがAIチャット『Bard』を発表しました。早く「日本語版のGoogle Bardを使ってみたい!」「Bardを検索しても出てこないのはなぜ?」とヤキモキしている人も多いのではないでしょうか。

今回は一足お先にGoogleの検索AI「Bard」について、日本語版で期待できそうな面や現在の課題点、日本語版の公開予測等を解説していきます。専門用語をできるだけ使わず、WEBビギナーの方にもできるだけわかりやすく解説していくので、WEBマーケティングの参考にしてみてくださいね。

GoogleのBardとは

GoogleのBardは、検索エンジンで知られる『Google』が開発しサービス提供している対話型人工知能(AI)です。2023年3月現在は、イギリスとアメリカでテストバージョンが提供されています。

対話型AIというと「AlexaやSiriのようにおしゃべりをするのかな?」と思われる方もいるかもしれませんが、現在のところは音声対応は無し。「文章」という形で人間(ユーザー)と対話をしながら、様々な文章作成ができる人工知能として期待されています。

ちなみにBardの読み方は「バード」。鳥の「bird」と間違えて表記しているサイトも多く見られるのですが、こちらの綴りは「BARD」です!元々は吟遊詩人という意味合いを持っています。人に求められて詞を謳った吟遊詩人の名前をつけるなんて、ずいぶん洒落ていますよね。

【そもそもGoogleとは?】
Bardについて語る前に、まずは「そもそもGoogleという会社は何なのか」についてカンタンに解説しておきます。WEBビギナーの方の場合、まずこの点を押さえておいた方がBardの特性を理解しやすくなるためです。(もうGoogleのことはよく知ってるよ!という人はこの項目は飛ばしてかまいません。)

Googleは1998年に設立した会社で、元々は「検索エンジン」のサービスからスタートしました。「検索エンジン」とは、インターネット上やシステムに保存されている情報を見つけやすくするための情報検索システムのこと。日本のインターネット黎明期の「検索」といえばYahoo!やInfoseek等が主流でしたが、Googleは圧倒的に便利な検索システムを構築し、瞬く間に「検索エンジンの定番」にまで上り詰めました。「検索をすること=ググる」という言葉が生まれるほど、Googleのエンジンは「検索の代名詞」となったのです。

その後Googleは事業合併・買収等を行い、検索エンジン以外の様々なサービスを提供する巨大企業へと成長していきます。

【Googleの代表的サービス・製品】

  • Google検索(検索エンジン)
  • Eメールサービス:Gmail
  • オフィス用サービス:Googleドキュメント
  • WEBブラウザ(ネット閲覧用アプリ):GoogleChrome(グーグル・クローム)
  • 写真編集:Googleフォト
  • 地図検索:Google Map
  • 地理サービス:Google Earth
  • OS:ChromeOS 等

GmailやGoogleChrome等は誰もが一度は目にしたり、使ったことがあるのではないでしょうか。もちろんGoogle検索をしたことが無い人はネットユーザーでは居ないことでしょう。そんな大企業かつネット検索に秀でたGoogleがスタートさせる対話型AIサービスが「Bard」なのです。

GoogleがBardを開始する経緯

ChatGPT
Googleが今なぜBardをスタートさせるのか?この理由には、OpenAIという企業が開発した「ChatGPT」の存在が大きく影響していると考えられます。ChatGPT(チャット・ジーピーティー)とは2022年冬にサービス提供がスタートされた対話型文章作成AIサービスです。

従来のAIが作成する文章はどこか固く自然さが無く、また長文作成などは難しいのが課題でした。しかしChatGPTは、人間が書くのとほとんど変わらない自然で精度の高い文章を生み出せる人工知能なのです。さらに処理速度も早く、たった数十秒程度でも数千字の長文を生成することができます。

ChatGPTの存在と精度は驚きを持って世界中に迎え入れられました。2023年3月にはより精度を向上させたGPT-4が登場し、注目を集めています。

さてIT業界の牽引者であるGoogleがこの状況を黙って見ているわけにはいきません。ChatGPTは今後のネットの在り方や検索の方法すらも大きく変えるとすら考えられています。これらに対抗すべくGoogleが打ち出した対話型AIが「Bard」というわけなのです。

Googleはすでに2年前に対話アプリ言語モデル「LaMDA(Language Model for Dialogue Applications: 対話アプリケーション用言語モデル)」を打ち出していましたが、今回のBardはより軽量なバージョンであり、多くのユーザーへの提供を理念に置いています。hatGPTの登場が軽量型LaMDAであるBardのサービス開始を早めたことは間違いないと見て良いでしょう。

GoogleBardでできること

GoogleBardは現在、イギリス・アメリカで英語バージョンがテスト版として公開されています。そのため現在のサービス内容は暫定版ではありますが、次のような機能があることがわかっています。

質問に対する回答

Google「Bard」は、ユーザーからの様々な質問に対して回答を示すことができます。この場合のユーザーの質問は、従来の検索エンジンのような「キーワード型」ではなく、「文章型」でOKです。例えば「上手なコーヒーの淹れ方を教えてください」といった文語調の質問だけでなく、「色が赤く見えるのってなんで?」といった口語調(くだけた文章)についても対応し、ユーザーの検索意図を汲んだ回答提示を行うことができます。

Google検索エンジンとの連動

Google「Bard」は、情報収集源としてGoogleのサーチエンジンを使用しています。つまり従来のGoogleと同様に、世界中のリアルタイムの情報をAIが収集して選択し、回答提示ができるというわけです。この点はGoogleBardの大きな強みと言えます。

ちなみにOpenAIの「ChatGPT」はネットと連動はしていないので、収取できる情報は「アップデートの時点まで」に限られます。ネットと繋がらないChatGPTとは「今日のプロサッカーのゲームについての評論」という質問はできないですが、GoogleBardであればそんな質問もラクラクできるというわけです。

自然な文章の生成

GoogleBardもChatGPTと同じようにナチュラルで人間味のある文章を生成できる点が英・米で評価を受けています。Google「Bard」の日本語版の公開はまだテスト版も行われていない状態ですが、やはり同程度のクオリティの高さが期待できますね。

草稿の選択(回答の複数提示)

GoogleBardの最も大きな特徴として、一回の質問で複数の回答の草稿(下書き程度の文章)が提示される点が挙げられます。ユーザーはいくつかの草稿の中からもっとも自分に適していると思われる草稿を選び、さらに質問を重ねていきます。このような往復を行うことで、より正しく深い情報を含み、よりユーザーの需要に適した表現スタイルの回答を生成することができるのです。

現在のところ全ての質問に対して回答の複数提示が行われているわけではありませんが、草稿選択ができるという点はChatGPTに無い大きな魅力となることでしょう。

検索クエリの表示

Google「Bard」の回答には、その回答の情報元(ソース)となったWEBサイトがキチンと提示されます。また関連する検索クエリ候補も表示されるので、より深い情報を検索することも可能です。このあたりも、さすが検索エンジンの雄であるGoogle!といった強みを感じますね。

Google「Bard」の現在時点の課題

様々な魅力に溢れ期待されるGoogleのAI「Bard」ですが、現在のところはいくつかの問題点も指摘されています。

回答の正確性に欠ける

もっとも大きな問題点としては「Bardは時々ウソを付く」という点が挙げられます。もちろん人工知能がウソをつこうと思ってついているわけではないのですが、誤った情報を「さも正しいかのように」長文回答として提示する…こんなことがBardでは時々起こってしまっており、ユーザーから指摘を受けています。

なお文章作成AIが誤情報をスラスラと生成するのは、GoogleのBardだけに限りません。前述したChatGPTや、同じシステムを導入したMicrosoftのAIChatにおいても、AIによる誤回答の問題は多々見られています。

文章が滑らかでナチュラルであり、いかにももっともらしい理屈付けがされているため、AIの誤情報はひと目で見破るのが困難である場合も多いもの。Google『Bard』にかぎらず、情報の正誤を人間がキチンと確認していくことが求められます。

長文になるほど不自然な表現も

先行サービスであるChatGPT(日本語版)では、長文になるほど重複した表現が頻出したり、ほぼ似たような内容の項目が繰り返し出てくる、主題が長文の中で反対になっているといった問題点が指摘されています。

現在のテスト版『Bard(英語版)』でもやはり似たような不自然さ(重複、テーマのねじれ等)が見られているようです。文章生成を100%AIに任せるのではなく、ある程度は人間による添削が必要とな点は、ChatGPTもBardも同じであると考えられます。

年齢制限がある

Google『Bard』の英米テストバージョンは登録制となっていますが、18歳未満の登録はできません。現在ネット上では各SNS等でも年齢制限を行うサービスが増えており、Googleもこれに倣いサービスに年齢制限を設ける傾向を見せています。Bard本格サービス開始移行も年齢制限がある可能性は否定できないでしょう。

GoogleBardは日本では使えない?日本語版は?

Google『Bard』は日本では使うことができないのでしょうか?

現在の公開は英米テストバージョン

Google『Bard』のサービスは2022年3月21日(米国時間)に、イギリス・アメリカを対象にしてテスト版が開始されました。2月に限定公開したサービスを、より本格的に一般ユーザーに向けて始動した形になります。

日本語からの登録はできない

残念ながら現在のところ、上記Google『Bard』テスト版サービスへの登録は日本からのアクセスでは行うことができません。

Google日本語版では非表示

Google検索エンジン(日本語版)でも、現在のところGoogle『Bard』についての公式ページやサービスページは確認できていません。IT系ニュースを扱う各社の情報のみに留まっています。Googleとしては「まだテスト段階です」といったところなのかもしれませんね。

Google『Bard』日本語版の公開は?

Googleは『Bard』について、「今後、より多くの国と多言語への対応を行っていく」という正式な予告を打っています。なおテスト版をイギリスやアメリカでプレイしてみた日本語ユーザーからは「現状は日本語には非対応である」との報告も。日本語版の開発は現在進行系といったところでしょうか。

ただライバルであるMicrosoftのAIChatの導入の速さ等を見ても、Googleが『Bard』の各国語バージョン開発に力を入れていることは間違いありません。MicrosoftEdgeの登録者数が爆発的増加を見せている点からも、各国語版の提供が遅くなるほどGoogleが検索エンジンの覇権から転がり落ちる可能性が高くなると考えられます。

IT系の専門家達の評価によれば、2023年中には日本語バージョンにお目にかかれる期待もあるとのこと。Googleエンジンと連動したAI文章作成サービス、早く使ってみたいですね。

おわりに

Google『Bard』については、Google検索エンジンとの連動だけでなく、Google MapやGoogle Earth等との連動サービスも行われるのではないかと期待されています。GoogleがAI文章作成に参入することで、各社AIの精密度やサービスの充実度はさらに加速していくことでしょう。AIによる文章作成や検索機能の飛躍的技術展開に目を離せない状態が暫くは続きそうです。

関連記事

最近の記事

  1. 解体業がホームページで集客に成功する8つの秘訣

  2. BingのAIチャットとは?メリットや注意点を初心者向けに解説

  3. GoogleのAI「Bard(バード)」とは?日本語版公開は?初心者向け解説

  4. AIチャットボット「ChatGPT」とは?使い方・注意点を初心者向けに解説

  5. AI文章作成サービスってどう?マーケティングでのメリット・デメリット

TOP