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今日からできるストーリーマーケティング!5つのコツと注意点

「売上がなかなか上がらない」「お店の集客を成功させたい」そんな悩みを持っている経営者の方は多いはず。そんな時にはマーケティングの方法を見直してみましょう!お店や製品の宣伝にストーリーマーケティングを取り入れてみませんか?

ストーリーマーケティングは現在、大手有名企業はもちろんのこと、中小企業が取り入れて売上げアップに繋げている人気の宣伝方法です。宣伝コストを抑えられる等、ストーリーマーケティングには中小企業の宣伝との相性が良い部分も多く、その点も大きな魅力となっています。

ここではストーリーマーケティングを行うコツや注意点について、WEBマーケティング初心者の人にもわかりやすく解説をしていきます。WEBマーケティングで売上アップ・集客力アップに繋げたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。

ストーリーマーケティングとは?概要と特徴

ストーリーマーケティングとは、その名のとおり「ストーリー(物語)」を使って見込み客から共感や好感度を集め、製品の購買・店舗や施設への来店といったアクションへと繋げていくマーケティング方法です。ただ「物語」と言われるだけではピンと来ない…という人も多いことでしょう。ひとつ、ストーリーマーケティングの例を挙げてみます。

【ストーリーマーケティングの例】
A酒造は、明治からコツコツと続けてきた家族経営の酒造会社です。会社員は祖母・父・娘の3人だけ。本当は昨年に会社をたたむ予定でしたが、今年大学を卒業した娘が杜氏を継ぐと宣言。令和にもA酒造のお酒を楽しんでいただけるようになりました。
 
昔ながらの手作業で、一本一本ラベルも手貼りです。たくさん作ることはできません。お手元に届くまでに時間がかかるかもしれません。それでも、どうか、私達家族の味を、楽しんでみてください。

1.「製品そのもの」ではなく「ストーリー」

ストーリーマーケティングでは、製品そのもの(この例の場合では日本酒ですね)について詳しく触れるわけではありません。「その製品が生まれるまでのストーリー」「その製品を作った会社のストーリー」「その製品を使ったユーザーのストーリー」等、製品にまつわる周辺的なエピソードに着目していきます。

2.「製品のスペックやメリット」を強調しない

ストーリーマーケティングでは、製品や施設の直接的なスペックや顧客のメリット等を強調しません。メリットとは例えば健康食品ならば「痩身効果がある」といった直接的な効果の話であったり、価格が安いといった購買的な顧客側の利益のことを言います。ストーリーマーケティングでは、このような「顧客側の利益」はあまり重視しないのがポイントです。

3.「製品のデメリット」を敢えて見せる

今回の例では、ストーリーにからめて「たくさん日本酒を作れない」「手元に届くまでに時間がかかる」という顧客側のデメリットを敢えて提示しています。ストーリーに共感してもらうことで、このようなデメリットを事前に見込み客が受け入れ、納得してくれることを見込んだ展開です。

4.製品や会社の「ファン」を作る

ストーリーに共感した見込み客は、製品や会社の「ファン」になってくれやすいです。ファンになった客は製品や企業情報を好意的に受け入れてくれますし、リピーターにもなりやすい傾向があります。

継続的な購買や周囲への口コミ宣伝等が見込める、良質な客…ストーリーマーケティングはそのような購買層を作りやすい宣伝方法なのです。

ストーリーマーケティングと中小企業は相性が良い?

ストーリーマーケティングは「中小企業の宣伝とも相性が良い」と言われています。これにはどのような理由があるのでしょうか。

1.宣伝コストを抑えられる

ストーリーマーケティングは、様々な媒体で行うことができる宣伝方法です。例えばWEBマーケティングの場合、公式サイト・ホームページ等ではもちろん、TwitterやInstagram等、SNSを使ったマーケティングにも応用させることができます。

従来のマーケティングのように、必ずしもCMに多量の費用をかけたり、雑誌に宣伝料を支払う必要はありません。工夫次第で、宣伝コストを抑えながらでも売上アップ・集客力アップに繋げることができます。

2.開発や創業のエピソードを活かせる

個人店舗を開いた方の場合、創業時には様々なご苦労があったということも多いのではないでしょうか。また新作の製品、新しいサービスの開発にあたって、社員同士での話し合いや協力等、様々な思い出があるという会社さんも少なくありません。

ストーリーマーケティングでは、このような創業時の思い出や製品開発・サービス探求等のエピソード、またお客様との温かい交流といったエピソード等も宣伝に取り入れることができます。

社長ご自身、製品開発者ご自身のエピソードを使えるという点で、中小企業はストーリーマーケティング向きと言えるでしょう。

3.顧客からの共感を得やすい

ストーリーマーケティングは、上でも述べたとおり「顧客からの共感や好感を得る」という宣伝方法です。特に日本でのマーケティングの場合、日本人は「小さい会社(弱い立場にある側)が頑張り、状況を打開する」というストーリーを強く好む傾向があります。いわゆる判官贔屓、弱い者の味方…というわけですね。

中小企業の作るストーリーマーケティングは、このような「日本人の好み」に合致しやすい傾向があります。特に国内マーケティングにおいて、大きな売上げアップ・集客力アップに繋げることが期待できるというわけです。

4.製品デメリットをやわらげられる

製品やサービスには、どうしても顧客側のデメリットがあるものです。バリエーションは様々ですが、例えば以下のようなデメリットが挙げられますね。

【顧客側のデメリット例】

  • なかなか予約が取れない
  • 店が混み合っている
  • 製品の形が揃っていない
  • ラベルが曲がっていて見た目が悪い
  • 施設が古くて不便 等

このようなデメリットは、特に中小企業の場合、完全に帳消しにするのは難しいところです。しかしストーリーマーケティングをうまく使えば、デメリットをやわらげ、顧客側の理解を得ることができます。

【例】

  • たった一人で店をやっている → 休みが不定休である
  • すべて手作業で行っている → 不揃いの製品がある
  • 乏しい資金繰りの中で頑張っている → 古い施設を大事に使っている
  • 希少な材料を使っている → 製品価格が水準より高い 等

製品やサービスの中で特に解決が難しい部分のデメリットを「敢えて打ち出す」ということで、顧客側からの理解獲得に繋げていきましょう。「納得の上で購買してくれるファン」を掴めば、デメリットは「強み」にすらなるのです。

5.「価格競争」「コスパ競争」からの脱却

従来のマーケティング方法は、カンタンに言えば「顧客にとってのメリット」を大きく打ち出すことが重点となる方式でした。しかし令和に入り長期的な不況が見込まれる現代、「顧客にとってのメリット」は突き詰めると「価格の安さ」や「コストパフォーマンスの良さ」に集約されるようになっています。

顧客側のメリットだけで宣伝競争をしようとすれば、企業側は「安価さ」と「便利さ」等を強化していくしかありません。しかし中小企業にとって、価格や利便性で大手と競っていくのは大変に厳しい戦いです。

その点ストーリーマーケティングは、見込み客を「ファン」にする宣伝方法です。

「客を会社の味方につける方法」とも言い換えられます。ファンになり、味方になってくれた客は、安さや利便性を求めません。「少し高くても良い」「不便でも良い」…企業理念や製品の開発姿勢に共感した客は、価格やコスパ以外の部分であなたの会社やサービス、製品を支えてくれるようになるのです。

ストーリーマーケティングを成功させる5つのコツ

1.「論理ではなく情緒」を意識

ストーリーマーケティングで大切なのは「論理的な説得」ではなく「情緒的な共感」です。まずこの点についてしっかりと理解しておく必要があります。

「この会社は頑張っているんだな」「親しみやすいな」「なんだか面白いな」そう感じてもらうのは、数値や論理ではありません。顧客の感情・情緒をいかに揺さぶるかという点をしっかりと意識しましょう。

2.「共感できる」「投影できる」人物を配置

ストーリーマーケティングでは、その物語の中に読者が共感しやすい人物を配置することが大切です。例えば「入ったばかりでわからないことだらけの新人」といった立ち位置は、社会人であれば誰もが一度は経験したもの。共感を得やすいですよね。

また「なかなか売れなくて困った経験」「大企業に勝てなくて悔しい経験」といったものも、多くの社会人の方が経験できたり、投影できるものでしょう。誰もがスッと「がんばれ」と応援できたり、「わかるわかる」と気持ちを重ねられるようなキャラクターを配置していきましょう。

3.「失敗」や「挫折」を取り入れる

ストーリーマーケティングは「物語」ですから、そこにはいくつかのエピソードを盛り込み、波のような動きがあることが大切です。ただひたすら登場人物が成功し、成り上がっていくだけの物語では、誰も「面白い」とは思いませんよね。

物語の中に、一度は「失敗」や「挫折」「苦難」等を取り入れてみるようにしましょう。「新製品を作ろうとしても失敗続き」「新しいサービスのための材料が足りない」……こんな「マイナスなエピソード」を盛り込むことで、ストーリーが読者を惹きつけます。

4.「3秒で理解できるシンプルさ」を

ストーリーマーケティングは「物語」ですが、そこには純文学のような大きな物語は必要ありません。敢えて言えば昔話のような、シンプルでわかりやすいスタイルであった方が良いのです。

根幹の部分が3~5秒で理解ができるようなシンプルさ、スタンダードさを意識していきましょう。

5.映画や読書で「ウケるストーリー」を参考に

ストーリーマーケティングの物語作りにちょっと悩んでしまった…そんな時には、映画や読書の「サクセスストーリー」を参考にしてみては?テレビドラマなら『下町ロケット』、映画なら『フラガール』や『キンキーブーツ』等等、世の中には優れたサクセスストーリーがたくさんあります。

いくつか「ウケの良いサクセスストーリー」を見ていくことで、観客の求めるストーリーが把握できていくはず。登場人物の配置等も参考になりますよ。

ストーリーマーケティングの注意点

ストーリーマーケティングは上手に行えば効果的な宣伝となりますが、単純に「物語」にすれば成功するというものではありません。ストーリーマーケティングを行う上では、次のような点に注意しましょう。

1.「苦労話=自慢話」になっていませんか?

ストーリーマーケティングは「最終的に顧客から好感を得ること」を目的としたストーリーテリングを必要とします。けっして「自分のこだわり」「自分が話したい苦労話」をする場ではありません。

「苦労自慢」をするだけで顧客に魅力的に映るわけではないので、この点を誤解しないことが何より大切です。

2.消費者ニーズを意識していますか?

ストーリーマーケティングを成功させるためには、消費者を 感動 させること、 共感 させることが重要です。スポーツ観戦とは違いますので、単純に「頑張っている姿を見せれば読者は感動する」というものではありません。

「葛藤してからの新製品開発」「新サービスを使って新しい世界がひらけた顧客の物語」等等、消費者が求める「感動」や「共感」「投影」がどこにあるのか、しっかりと定めてから物語を作っていきましょう。

もちろん上のようなダイナミックな物語ばかりが「ウケる」とは限りません。製品やサービスによっては、会社や製品のユルさややる気のなさが「物語」となり、ウケることもあるでしょう。製品・サービスの購買層がどのような「感動」を求めているのかは千差万別です。購買層(ターゲット層)を絞り込むことも忘れてはいけません。

3.話が複雑になっていませんか?

中小企業のストーリーマーケティングでは、事実を話そうとするあまり、物語が複雑になってしまっている失敗例がよく見られます。顧客が求める「物語」は、5秒で理解ができ、スルッと感動ができるものです。会社の人物構成等にこだわりすぎて話が複雑になっていないか、第三者の立場の人間にストーリーを見てもらい、冷静な意見をもらうことも大切です。

おわりに

ストーリーマーケティングのコツや注意点について解説しましたが、情報はお役に立ちそうですか?まずは「ストーリーマーケティング」という視点を持って、様々な会社のCMや販売サイトを見てみましょう。今まで何気なく見ていた宣伝、実はたくさんの「物語」で溢れていることに気づくはずですよ。

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