英会話等の外国語会話教室、着付け教室、フラワーアレンジメント、ヨガ教室…子ども向けの教育施設だけでなく、大人向けのカルチャースクールにも非常に多彩な教室が誕生している現在。塾やスクールの数が増える分だけ、生徒獲得の競争は厳しいものになっています。中には「教室の集客がうまくいかない」と悩んでいる先生や経営者の方もいるのではないでしょうか。
学習塾や習い事教室等の教育系ビジネスでは、良質な教室ホームページ(公式サイト)によるマーケティングが不可欠と考えられています。公式サイトが無い教室であれば一刻も早く設置に取り組むべきですし、「既にサイトはある」という場合には、その内容の見直しもした方が良いでしょう。今回は集客に成功している塾やスクールのホームページの法則を、6つのポイントから解説していきます。
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1.教室の特性が1秒で理解できる
あなたの塾やスクールは、何を習える教室ですか?習える内容が「日本でココでしか習えない特殊な言語」等であれば、ホームページ作りにそこまで細かくこだわる必要は無いかもしれません。「珍しい言語」「この学校でしか習えない授業」--そんな希少価値があれば、放っておいても他にはない『個性』が生まれるからです。
しかし例えば「英会話」「ヨガ」「フラワーアレンジメント」「子ども向け学習塾」といった競合相手が多く居る教室の場合、より戦略的なホームページを作る必要性は「120%」と言えるでしょう。
「英会話を(ヨガを、ダンスを)習いたい」と思った見込客は、あなたのホームページ以外にもたくさんの教室・講師のホームページに赴き、比較検討しています。集客を成功させるには、その様々なホームページの中でどこよりも「光るもの=魅力」を見せなくてはなりません。
様々な教室と比較される中でいち早くあなたの教室の魅力を伝えること–つまり「差別化」や「個性のアピール」が、教室の集客に何よりも重要な要素となります。
「新しさ」と「オリジナリティ」をアピールしよう
習い事を探している見込客達に訴えかけるのは「その教室ならでは」の個性的な部分、つまり<<スタイル>>です。
・教室を使わず、街歩きをしながら進めていくフランス語会話教室
・1年後には生徒全員で一緒に海外へ行くことを想定した英会話教室
・通学は月1回でOK、その他はネットで通信学習ができる語学スクール
・フラワーアレンジと刺繍が一緒に楽しめる教室
・イギリスでのメイド経験者に教わる紅茶教室
・夜10時からでも習える着付け教室 等
・どこで教えるのか:自宅までの訪問、オープンカフェ、公園 等
・どんな風に教えるのか:マンツーマン?サークル風?飲み会風?
・どうやって教えるのか:教材は?オンライン対応可能?スマホでも復習ができる
・いつ教えるのか:早朝の朝活教室、深夜の飲みながらの教室 等
少しでも「他の教室とは違う」と思われる部分があれば、どんどん積極的にアピールをしていきましょう。「満遍なくできる、万能、オールマイティ」を標榜するのはあまり良い手ではありません。中小規模の教室や講座が「万能風」を演出すると、どうしても大企業が運営する大手教室と比較されてしまいます。それよりも中小規模ならではのオリジナリティ、目新しさ、専門性等を演出したほうが集客をしやすくなるのです。
アピールは「サイト説明」からスタートする
教室の個性のアピールは、もちろんトップページの画像やキャッチコピー等でも十分に行います。しかしそれだけではなく、サイト説明文、サイトタイトル等からも個性が見て取れるのが理想的です。ホームページに訪れる客が、トップページの訪問前(検索後のGoogle表示結果)、そしてホームページ訪問後の1秒後には「この教室はどういう方向性なのか」がある程度把握できるような作りにすることを意識しましょう。
2.トップページから料金情報に2秒で行ける
「この教室はどんな教室なんだろう」--そのイメージと概要がわかり、教室に魅力を感じた見込客が次に気にするのはなんでしょうか?洋服や食品、趣味の製品を買う時のことを思い出してみましょう。「気に入ったデザイン(パッケージ)だ」と手に取って、「欲しいな」と思ったら確認するもの…そう、「値段」です。
あなたの教室の雰囲気や個性を気に入った見込客は、「自分が通える価格帯だろうか?」と不安を感じています。ですから一刻も早く教室の月謝や料金を知って、自分が生徒になれる教室なのかどうかを知って安心したいのです。
それなのにトップページから行ける「料金」のコーナーが無い、料金表がわかりにくい…こんな状態だったらどうでしょうか?「時価」と書いてあるものをサッと買える人はあまり居ませんよね。料金がわかりにくければわかりにくいほど、見込客は不安を強く感じます。問い合わせ等をする前に、「もういいや」とホームページから離れる(=あなたの教室を選択肢から外す)という結果になってしまうでしょう。
料金や割引といった「お金」の情報を知りたいと思った時に「2秒」で情報を探し出せること--集客に成功している学習塾や習い事教室ほど、「料金」のページ作りに力を入れているのです。
料金表は特例をできるだけ無くす
月謝等の料金表示は、「表」を使ってできるだけ明確に示します。追加料金やオプションがある場合には、その価格帯もできるだけ明瞭に表示してください。
反対に最も避けてほしいのは「詳しくはお問い合わせください」でごまかすことです。見込客達は「問い合わせる手間」を激しく嫌います。
3.講師の顔や経歴が見える
「この教室に通うことになったら、どんな人に教わるんだろう?」…これも、見込み客の誰もが気になっているところでしょう。集客率を上げるためには、見込客の需要に応えて「講師の紹介」をしっかりと行う必要があります。
顔写真の掲載はマスト!
講師の顔写真は、ぜひとも掲載したいところ。必ずしも全員を掲載すべき!と強制するわけではありませんが、スクール内の一人も講師の顔がわからない…というのは避けましょう。
なお顔写真は、できるだけ今回の写真掲載用に新しく撮影することをおすすめします。特に数人の写真を載せる場合、それぞれの解像度や明るさが違ってしまうのはNG。写真全体に統一感が必要です。見込客に向かって優しく微笑みかけるような、明るい笑顔の写真を用意しましょう。
服装は、教室での授業中を連想させるようなものがベスト。例えば授業中の制服が指定のTシャツなら、そのTシャツで構いません。
実績があれば大きくアピール
学歴やコンクール受賞歴・留学歴等、教える学科に関連のある実績はしっかりとアピールしていきましょう。その部分に自然に目が行くように、太字やテキストの色変え等をしてみるのも手。またサッと見て各講師の個性がわかるよう、「一言でまとめた紹介文」等もあると良いでしょう。
その他のエピソードも盛り込んで
講師の紹介というと、ついつい勉強のこと・習い事のことだけに話題が片寄ってしまいがち。しかし実は講師の「人間らしさ」を伝えることも大切なんです。講師に対して親しみを覚えれば、「この人に教わってもいいかな」という気分は上がりますよね。実績以外の情報も適度に盛り込んでみましょう。
・買っているペット
・好きな食べ物
・出身地の話
・最近した失敗の話 等
4.授業の様子・生徒の様子が見られる
「教室のホームページを訪れた見込客に、もっと効率的にアピールをしたい…」そう考えるのであれば、より実質的な「教室の紹介」をすることが大切です。教室の雰囲気や生徒の様子が手に取るようにわかれば、見込客は安心してあなたの教室を訪れることができます。ホームページを訪れただけで「体験教室」を受けたような気分になれる--そんな紹介の仕方が最も効果的なのです。
写真や動画で授業風景をアピール
いくらテキストで「アットホームな雰囲気」「楽しい授業です」と言われても、なかなか教室の様子をイメージすることは難しいものです。
できれば授業中の様子の写真・動画等を掲載するのが理想的と言えます。
ただし現在では肖像権の問題等もあり、現在通っている生徒さんの中には「撮影不可」と考える人も居るかもしれません。「授業風景を後ろから撮影」といった工夫をして生徒の顔を見せない方法を取るのも良いでしょう。
「生徒の声」を掲載できれば理想的
さらに教室ホームページによる集客率を上げたいのであれば、実際の利用者(ユーザー)である生徒さん(または保護者)の感想や喜びの声を掲載するのがおすすめです。習い事や学習塾等の教室を訪れた見込客は、掲載されているユーザーの声を「自分の将来像」として重ね合わせます。
「初心者だったけれど安心して教わることができる」「マイペースに授業を受けている」「本格的な技術を学べる」といったユーザーの声と見込客のニーズが合致すれば、「この教室にしてみようかな?」と考える見込客の数はググっと多くなります。
5.教室情報・地図情報がわかりやすい
さて「この教室、結構良さそうだな」と好感を持った見込客が最終的に必ずチェックするところはどこでしょう?通学型のスクールならば、見込客たちが100%確認をするのは「教室がどこにあるのか」という点です。
多くの塾や習い事教室は週に一度・月に一度といった定期的な通学が必要になります。ほとんどの見込客は以下のような点を細かく確認したいと考えている状態なのです。
・教室は自宅や職場から近いのか?
・教室の最寄り駅はどこか?
・公共交通機関は何を使うのか?
・駅やバス停等からどれくらい歩くのか?
・駐車場はあるのか?
・送迎が必要な場合、車での送迎は可能か?
・入室の際にオートロック等の特別な手続きは必要か?
塾や習い事教室への問い合わせ・体験教室等への参加といった集客率を上げていくためには、この「地図やアクセス」の部分を丁寧に行っておいた方が得策です。経営者側が考えているより、企業ホームページを訪れるユーザー達は「めんどくさがり」。ちょっとした情報をひとつひとつ調べるのを嫌います。
「地図・アクセス」のページを見たら、住所が書いてあってGoogle Mapで「ココ」と表示されているだけ…そんな不親切な情報だけでは、「行くのを止めよう」と考えられてしまう可能性も高いのです。
・Google Map:基本かつ必須の情報です。
・簡易型マップ:イラスト等のシンプルなマップで、駅からの経路(目印等)をわかりやすく示します。
・最寄り駅・公共交通機関:電車・列車の路線名駅名の他、大きな駅が近くにある場合はその駅からの乗り換え等も案内すると良いでしょう。
・教室外観写真:教室を訪れる際の目安となるような写真を掲載するのも手です。
また来館前に「資料請求」「電話問い合わせ」等の申込みが必要となる場合には、それらの手続きについても「1ステップずつ」丁寧に説明してあげるようにすると効果的。「申込みのためにわざわざ問い合わせする」といった見込客側の手間はできるだけ減らすようにしましょう。
6.更新が頻繁である
さて、上記の5つのポイントをクリアしている教室のホームページでも、「最近は集客できない…」と悩んでいるところもあります。そんなホームページに多いのが「一度公式サイトを作り上げたきり、ほとんど更新ができていない」というケースです。
教室のホームページ・公式サイトの更新の頻繁さは、見込客にとっては「教室の活気」をイメージさせます。自分が「選ぶ立場」になった時のことを思い出してみましょう。例えばこれから通うクリニック(個人病院)を決めようという時。そのクリニックのホームページが5年も更新を停止していたら、「情報が古いのでは」と不安になりませんか?
またクリニックに対してのイメージも「患者さんが少なそう」「施設が古そう」といったマイナスのイメージを持つ人が多いことでしょう。学習塾や着付け教室・英会話教室等のホームページでも同じこと。これから生徒さんになる人達は、頻繁に更新があるホームページを持つ教室を「人気の教室(=良い教室)」と判断するのです。
ホームページ内にコラムページやブログを設置する等して、1ヶ月に1回、週に1回といった定期的な更新を行うようにしましょう。また期間限定教室等の『ニュース」もできるだけ早くお知らせします。常に新鮮なホームページを持つことが、見込客の教室への印象を大きく変えることに繋がることでしょう。
おわりに
塾や習い事・カルチャースクール業界は、この15年で大きな変貌を遂げたと言われています。インターネットの中でいかに「良い教室であること」「見込客のニーズに合う教室であること」をアピールできるかどうかが、スクールの集客を変動させるようになったのです。
ほんの少しのホームページデザインの変更や構築の見直しを行うだけでも、見込客の教室に対する印象は大きく変わっていきます。「ただ情報を掲載しているだけ」といった教室の公式サイトの在り方を、今日から見直してみてはいかがでしょうか?
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