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ヘルプフルコンテンツシステムとは?概要や対策を解説

ヘルプフルコンテンツシステムの導入以降、あなたのサイトのGoogle表示順位に変動はありましたか?「え、ヘルプフルコンテンツシステムって何?」という人は、ちょっと危ないかもしれません。

Google表示順位は、WEBマーケティングで集客・売上UPに繋げるための要とも言える存在です。ヘルプフルコンテンツシステムは、その表示順位を定める重要な指標の一つ。きちんと内容や注意点を押さえておきましょう。

ここではGoogleのヘルプフルコンテンツシステムについて、その概要や対策を、WEB初心者の方にもできるだけわかりやすく、噛み砕いて解説していきます。

ヘルプフルコンテンツシステム(アップデート)とは

ヘルプフルコンテンツシステムは、検索エンジンであるGoogleが新たに導入した表示順位を定める新たなるアルゴリズム(ランキングのための指標)です。導入当時は従来のアルゴリズムと同様に「ヘルプフルコンテンツアップデート」と呼称されていましたが、Googleがアップデートを「システム」と呼称変更したのに合わせ、「ヘルプフルコンテンツシステム」と呼ばれるようになりました。(このページでもGoogleの新しい名称に則り、以下は「ヘルプフルコンテンツシステム」とのみ記載していきます。)

ヘルプフルコンテンツシステムは、全世界に先駆けて英語版が2022年8月25日に導入され、日本語版は同年12月5~6日にかけて導入されました。SEOの専門家たちは「日本語版の導入には1年程度はかかるだろう(2023年夏頃の導入となるだろう)と予測していました。

ところが導入は同年の年末!いわば世界グローバル版である英語版から、たった4ヶ月というスピード導入が行われたわけです。Googleが今回のヘルプフルコンテンツアップデートに対し、かなり力を入れている姿勢が見て取れます。

ヘルプフルコンテンツシステムのグローバル展開はTwitter(Google Search Central)でアナウンスされました。


 

ヘルプフルコンテンツシステムの目的

今回のヘルプフルコンテンツシステムを、Googleはどのような目的で導入したのでしょうか。ザックリまとめると、以下の二つを主眼に置いていることがわかります。

1)ユーザーが満足するコンテンツを置くサイトを高評価し、上位表示させる

ここでいう「ユーザーに満足感を与える」とは、カンタンに言えば「本当にユーザーに役に立っているサイト」ということですね。ユーザーが検索結果からサイトを訪れて、「検索したキーワードで探していた情報が見つけられた!」となればOK、良いサイトということです。

2)ユーザーをガッカリさせるコンテンツを置くサイトを低評価し、表示順位を下げる、または検索結果に表示させない

ユーザーをガッカリさせるコンテンツにも色々ありますが(詳しくは後述します)カンタンにまとめれば「欲しい情報をきちんと掲載していないサイト」であったり「他サイトと同じ情報しかないサイト」ということですね。

さてこのヘルプフルコンテンツの目的ですが、基本理念としては、Googleの考え方にそこまで大きな変更はありません。Googleは常に「ユーザーファースト」を主眼としており、アクセス稼ぎのためだけに作られた低品質サイトを低評価し続けてきたからです。

ただしその方針がアップデート(システム)ごとに厳格化している点には、サイト管理者たちはしっかりと着目しておくべきと言えるでしょう。

ヘルプフルコンテンツシステムの注意点

ヘルプフルコンテンツは「役立つサイトを目立たせて、役に立たないサイトを目立たせなくする」というアルゴリズムであることは上で解説しました。

「なんだ、それなら今までとそう変わらないのでは」と思った人も多いはず。しかし今回のヘルプフルコンテンツの変更では、次のような点に注意をしなくてはなりません。

サイト単位評価→低品質コンテンツが足を引っ張る!

ヘルプフルコンテンツシステムは、コンテンツ単体ではなく「サイト単位」での評価を行うことをGoogleが公表しています。Google上位表示を狙うサイト管理者にとって、これは大きなポイントと言えそうです。

それはなぜか?低品質なコンテンツがたくさんあると、サイト単位で「低評価サイト」となってしまい、従来は高評価で上位表示されていたコンテンツまでが同時に評価を下げられてしまう可能性があるからです。

例 )料理HOWTOサイトA(仮名)

「料理のHOWTOをわかりやすく教える」がメインテーマのサイト。最大の人気コンテンツに「正しい軽量の仕方」がある。その他のレシピコンテンツはテキスト・写真共に量が少なく低品質。競合サイトをリライトしたようなコンテンツも多い。

変更前のGoogle検索表示

  • コンテンツA 正しい軽量の仕方 → 表示3位(1ページ目)
  • コンテンツB → 表示20ページ以下
  • コンテンツc? → 表示20ページ以下
  • コンテンツD → 表示20ページ以下

コンテンツAはGoogle表示3位であり、このコンテンツが検索流入の根幹となっている。

変更後のGoogle表示順位

  • コンテンツA 正しい軽量の仕→ 表示12位(2ページ目)
  • コンテンツB 表示20ページ以下
  • コンテンツシー → 表示20ページ以下
  • コンテンツD → 表示20ページ以下

コンテンツB.D以降の低品質を原因として、Googleヘルプフルコンテンツシステムによってサイト全体の評価が下げられる。これにより、人気コンテンツであるコンテンツA(正しい軽量の仕方)についても連動して評価が低下。表示順位が2ページ以降に下げられてしまう。

検索流入の根幹となる人気コンテンツの表示順位が下げられることは、特に小規模サイトにとっては大打撃と言えます。上記はあくまでも一例ですが、このような事例が起こる可能性は否定できません。

順位改善に数ヶ月かかる可能性も

ヘルプフル コンテンツ システムとそのアップデートによるサイトへの影響
さて、Googleヘルプフルコンテンツシステムによる表示順位が下がってしまったーーこうなったら、どのWEB管理者も何らかの対策をすることでしょう。例えば低品質のコンテンツを削除するというのも一つの手ですよね。

ところがGoogleヘルプフルコンテンツシステムの場合、対策・改善によるリカバリにかなり時間がかかる可能性が考えられます。Googleの今回のアップデートについてのヘルプで、次のような解説が明記されているのです。

【ヘルプフル コンテンツ システムとそのアップデートによるサイトへの影響】
このシステムによって識別されるサイトでは、数か月にわたってシグナルが適用される場合があります。

つまり上記のヘルプでは、一度「低品質サイト」として分類が行われた場合、サイト改善を行なってもすぐに分類変更がされるわけではない、ということが言われているわけです。サイト全体の評価が改められるには、数ヶ月がかかる可能性が示唆されています。

ヘルプフルコンテンツシステムは未完了?

Googleヘルプフルコンテンツシステム(日本語版)の導入は2022年12月であり、その影響は2~3週間後から徐々に出始めています。

2023年1月現在、多くのサイトユーザーがアクセス数の変動を感じています。ただし着目すべきは、その増減の不安定性から「ヘルプフルコンテンツシステムの導入はまだ完了していないのではないか」という可能性が示唆されている点です。

前述した通り、Googleヘルプフルコンテンツシステムはかなりのスピード感をもって導入されました。専門家たちが1年かかると予測したシステムを僅か4か月で導入したのです。まだシステムに補うべき点が多々あり、今後少しずつ充足させていく可能性は高いと言えます。

今後さらに「サイト単位」での評価が進められることで、2023年春以降のコンテンツ表示順位に大きな動きが出ることも考えられるわけですね。

ヘルプフルコンテンツシステムへの対策

Googleヘルプフルコンテンツシステムは既に施行されているものではありますが、手をこまねいているだけでは問題は解決しません。できるだけ早く対策を施し、表示順位の低下を防ぐことが大切です。

タイトル詐欺になっていませんか?

2015年頃までのSEO対策だと、「タイトルや目次のキーワード選びこそがSEO対策」という考え方が根強く残っていました。少しでもアクセス数が稼げるキーワードを!ということで、人気キーワードを散りばめたブログ記事などを作った方も多いのではないでしょうか。

しかしタイトルや目次のキーワードに着目しすぎて、肝心の中身がその内容にそぐっていないコンテンツを量産してしまったケースも珍しくないようです。このような、いわゆる「タイトル詐欺」のコンテンツ、あなたのサイトに残されていないでしょうか?

【低評価を受けるポイント】

  • タイトルとテキスト内容が全く合っていない
  • タイトルに沿った情報量が少ない

上記のようなコンテンツは「著しい低品質コンテンツ」という評価を受け、サイト全体の低評価も招きます。

注意したいのは、タイトルとコンテンツ内容の合致度合いだけでなく、タイトルに沿った情報が極端に少ない場合も「低品質評価」を受けやすいという点です。

例えば「絶対失敗しないオムレツの作り方」というタイトル記事であるのなら、コンテンツのテキストは原則「オムレツの作り方とその注意点」だけに集中させることが求められます。

ブログ記事などの場合、前半に日記的な内容が多かったり、関連性の低いテキストを多量に並べた結果、低品質評価を受けていると考えられるケースが多々見られます。

【対策例】

  • タイトルを内容に添ったものに変更する
  • 内容とタイトルを合致した状態にリライト
  • タイトルとは関連しないテキストの削除 等

オリジナル性を重視しよう

ユーザーファースト(読者の満足度)を重視しているGoogleは、近年、コンテンツのオリジナル性を評価の指標とする傾向が強くなっています。

独自性があり、研究度が高いコンテンツの方がユーザーに有益であるとみなされ高評価→上位表示となりますし、独自性の低いコンテンツは低評価ということです。もっとカンタンに言えば、「他サイトと全く同じ情報のコンテンツは不要」ということになります。

【低評価を受けるポイント】

  • 競合サイトとテーマや構成が同じ
  • 情報に独自性が無い
  • コピーコンテンツの疑いがある

特に近年、問題とされているのが安易なリライトによって記事を量産する方法です。現在ではAIによるリライトチェックもより厳格化されています。単純なリライトによるコピーコンテンツが発覚した、サイトが大きなペナルティを受けるケースも珍しく無くなってきました。

競合サイトと類似性が高いと思われるコンテンツ、独自性が弱いと思われるコンテンツがあれば、早めに改善を行うべきです。

【対策例】

  • 独自研究結果を付加する
  • テーマの見方や切り口、構成を変えてみる
  • 競合他社との「被り」が無いか確認する

特にニッチな製品やテーマを扱うサイトの場合、競合サイトとどうしてもテーマが被りやすく、コピーしているつもりはなくても類似性の高い記事ができている可能性は考えられます。

競合サイトが既に一定の人気を得ている「権威性を獲得したサイト」の場合、後追いのサイトはどうしても不利になりやすいです。類似性をできるだけ減らし、独自性を打ち出せるよう、構成・情報量などの見直しを行ってみましょう。

低品質コンテンツを削除してみる

「低品質かも」と考えられるコンテンツがサイトに大量にある…これはヘルプフルコンテンツシステムによってサイト全体の評価がさがる可能性が高く、かなり危険度の高い状態と言えます。

【低評価のポイント】

  • 低品質コンテンツ数が多い
  • 更新されず放置されたコンテンツが多い
  • 表示が正常に行われないコンテンツが多い

「タイトル詐欺」や「オリジナル性」で解説したように内容の改善を行なっていくことももちろん大切ですが、既にシステム導入が行われていることも鑑みると、数によっては改善作業が間に合わない可能性の方が高いです。

低品質コンテンツの数にもよりますが、あまりにも多量の低品質コンテンツがサイトに混在しているようであれば、思い切ってコンテンツを削除してみるのも手と言えます。

いわゆるゼロ年代の頃にはGoogleの評価指針の一つに「情報量(=テキスト量、ページ数、コンテンツの量)」があると考えられていました。その考えで品質よりも量を重視した記事をたくさん生成し、そのままサイトに放置している人も少なくありません。

またPCからスマホへの切り替えに対処できず、スマホでの表示がうまくできないままのコンテンツを放置した結果、表示順位が下がるサイトも存在しています。

現在では上で解説した通り、Googleは「読者が満足するクオリティ」をサイト全体に対して求めるようになりました。低品質なコンテンツに評価の足を引っ張られるよりは、思い切って削除をしてスッキリとさせ、高評価・高品質コンテンツのみの「精鋭」で勝負に出る時代がやってきているのです。

【対策例】

  • コンテンツ全体のクオリティをチェック
  • スマホ等、デバイスによる表示を確認
  • 低品質コンテンツを削除

おわりに

ヘルプフルコンテンツシステム以後も、Googleはより「ユーザー満足度」を突き詰めたアルゴリズムを展開することが予測されています。

ヘルプフルコンテンツシステムの導入を機に各コンテンツ、サイト全体のクオリティを見直すことは、今後長くSEOで勝ち続けるためにも良策となるはずです。

上でも解説しましたが、今回のヘルプフルコンテンツシステムによる評価は数ヶ月程度持続される可能性が高いと考えられます。サイト全体が低評価を受ける可能性を減らし、また万一の低評価期間をできるだけ短くするためにも、いち早くサイトの見直しに取り掛かっていきましょう。

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