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ABテストで売上アップ!メリット・方法を解説

「新しく企業のホームページを立ち上げたい」「店舗の公式サイトをそろそろリニューアルしたい」……こんな時にやっておきたいのが「ABテスト」です。ABテストを上手に使いこなせば、公式サイト・ホームページのコンバージョン率や売上をアップさせることも夢ではありません。

ここでは企業・店舗の経営者やWebマーケティング担当者が知っておきたい「ABテスト」の基礎知識を、Web初心者にもわかりやすく紹介していきます。ABテストの概要やメリット、具体的な方法・注意点まで解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

ABテストとは?概要と例

ABテストとは、Webサイトを新しく作ったりリニューアルする時に行う反応テストのことです。バナーの大きさやコピー等の一箇所を部分的に変更した「サイトA」「サイトB」のふたつのテストパターンを用意し、実際にWeb上で公開をしてユーザーからの反応を解析します。

ユーザーの導線・アクセス数等を見ることで、コンバージョン率のアップ・売上アップに繋がるベストなデザインやコピーを見つけることができるテストなのです。

ABテスト、比較対象は3~4つでもOK

「ABテスト」という名前だけを見ると、比較となるテストパターンは「A・B」の2種類だけ?と思う方も多いかもしれませんね。

しかし「ABテスト」というのはあくまでも名義上の問題です。実際にはテストパターンC、テストパターンD…と、3種類・4種類以上のテストパターンを用意して公開テストを行うこともできます。

大手企業の場合ですと、一部だけを変えたテストパターンを10種類以上も用意して大掛かりなABテストを行うところも珍しくありません。

実際に公開するのがポイント

「ABテストとは複数のサイトを比較すること」というと、「社内プレゼンのようなものかな?」と思われる方もいるはず。しかしABテストは制作業者によるクライアント側へのプレゼンや社内プレゼンとは違います。実際にWeb上で公開し、ユーザー達にサイトを見て、使ってもらうのです。

ですから制作するテストパターンABは、「テスト」とは言っても実際の公開に耐えうるものを使用します。

ソフトウェアやオンラインゲームの正式版リリース前に行う「β版(ベータ版)公開」に近いものと考えていただけると、ピンと来る方も居るかもしれません。今後長く使う正式なサイトを決めるための「お試し版」といったところです。

ただしβ版とは違い、ユーザー側はサイトがABテスト稼働状態であることは知りません。読者・ユーザー側にとっては通常のWebサイトと何ら変わりはないという点には留意しておきましょう。

ABテストで変更する部分の例

ではABテストでは、実際にどんな部分を変更してユーザーの反応を見るのでしょうか?ここではその一例を見てみましょう。

トップページのメニューの位置

トップページのメニューの位置やデザインは、他ページへの遷移を決定付ける大きな要素です。どのようなデザインであれば離脱率が少ないか?どのデザインがCV率の高いページへ遷移させるか?といった点をチェックしていきます。

ランディングページのキャッチコピー

ランディングページは直接的に商品の購買や資料請求等のコンバージョンへ導入するページであり、画像やキャッチコピーの影響がCVに強く出やすいページでもあります。

複数のキャッチコピーを用意しておき、どのコピーが売上アップに寄与するかをチェックするのも手。また同じキャッチコピーでフォントや字の大きさ(ポイント)等のデザインを変更するテストもあります。

バナー広告の画像

ABテストは必ずしもWebサイト内のみで行うものとは限りません。Webマーケティング活動の様々な場所…例えばバナー広告の画像であったり、SNSに掲載する画像等をABテストすることもあります。

同じサイズのバナー広告でも、使用する画像の色合い等でユーザーのクリック率は変わってくるものです。ターゲット層を惹き付ける画像はどんなものなののパターンをここで解析していきます。

ABテストをするメリットは?

コンバージョン率のアップに熱心な会社ほど、ABテストを丁寧に行うものです。ABテストには一体、どんなメリットがあるのでしょうか。

客観的なデータが得られる

ホームページ制作業者からあげられてきたサイトデザインや、社内で決めたキャッチコピー。普段はそれらをどのように評価・判断していますか?

上司等が「これが良いのでは」と決めたり、社員の数人で判断したり、はたまた社内プレゼン等で決定したり…いずれにしても外部の人間を入れない判断では、主観的かつ偏ったものになりがちです。

ホームページ・公式サイトのABテストを行えば、「どのデザインが売上に寄与するのか」「どのキャッチコピーがターゲット層の心を掴むのか」が数値となったものを詳細に確認することができます。

主観的な意見等に引っ張られる必要がなくなり、「売れるサイトの構築」へ一直線に進むことができるのです。

大掛かりなテストに比べコスト安

サイトデザインを全面的に変えたテストパターンを複数作るということになると、制作業者に2サイト~3サイト分の制作料を払わなくてはなりません。Webマーケティング用の予算が潤沢な企業であればそれも可能ですが、一般的な中小企業では厳しいですよね。

その点サイトデザインの一部のみを変える「ABテスト」であれば、デザインを大きく変更しなくても比較テストを行うことができます。

制作予算も比較的少なめに抑えられるとというわけです。高い費用をかけずにコンバージョン率を上げたい時に向いています。

テスト実施までにかかる時間が短い

複数のWebページを制作したテストとなると、制作にも時間がかかってしまいます。3パターンも4パターンも試してみたい…ということになると、テスト実施までに数ヶ月かかってしまう可能性も。これでは新作商品のマーケティングに間に合わないこともありますよね。

しかしABテストであれば一部のみの変更なので、複数テストパターンの制作にかかる時間も比較的短めです。発売が近い製品やサービスのランディングページ等でも、気軽にABテストを実施することができます。

ABテストの方法は?7つのプロセスを見てみよう

実際にABテストを行うには、どのように作業を進めてゆけばよいのでしょうか。それぞれのプロセスを見ていきましょう。

1.現状サイトの課題と目的の絞り込み

ABテストを行うにあたっては、ハッキリとした「目的(求める結果)」が必要です。目的と言っても、曖昧な「売上を上げたい」ではNG。目的を見定めることで、現状のWebマーケティングのどこに課題があり、何をテストでクリアすべきなのかを決定します。

ホームページ改善の目的の例

公式サイト経由でのカタログ請求数が少ないので改善したい。
外部サイトに比べて直営のECサイトのCV率が少ない点を改善したい。
公式サイトトップページからの離脱率が高い点を改善したい。 等

現状の問題把握と目的を狭く具体的に定めてこそ、ABテストの効力は発揮されます。「まずそもそも現状のサイトの課題が把握できていない」という場合は、解析ツール等を使って「今、何が原因でコンバージョン率に繋がっていないのか」を探求することが大切です。

2.変更点を決める

次にテストパターンA、Bの「変更点」を決めます。例えば「キャッチコピーのみを変更する」「新製品トップページの画像のみを差し替える」といった具合です。

これらの変更点をどこにするかは、上のプロセス1.で決めた「目的」と「課題」から考えていきます。

【例】

  • 目的:旅館ホームページ、公式サイトの予約フォームからの予約数を増やしたい。
  • 現状の課題:Googleからトップページまでのアクセス流入はあるが、フォームへの遷移が少ない。「問い合わせ用」のメールアドレスから予約について連絡が来ることが多い。
  • 課題改善のための仮設:トップページの「予約フォーム」へのメニューの位置がわかりにくいのではないか。

ABテストの変更点 トップページの「ご予約はこちら」の位置を2パターンに設定。どちらがフォームへの遷移が多いかを確認する。

3.テストユーザー層を絞り込む

テストを行う前に、「ユーザーの中のどの層からデータを抽出するか」も決めておくのが理想的です。

ユーザー層の絞り込み例

初めてGoogleから流入してきた読者
リピーター読者
InstagramやTwitterから遷移してきたユーザー
施設の近隣地域からのアクセス 等

ざっくりと「サイトを訪れる読者全部」をテスト対象とするよりも、今後獲得したい顧客層、つまりメインターゲット層をどこに置くかを考慮した方がABテストの解析も細密になりますし、データを今後にも反映しやすくなります。

例えば前述した「旅館サイト」であれば、リピーター読者よりもGoogleから初めて流入してきたユーザー、または旅館比較サイト等から遷移してきたユーザー等をテストユーザーとして認定した方が効果的です。

4.テストツールを設定する

ABテストの比較要素となる数値ですが、何らかの解析ツールを使っているのであれば手動で計算しても比較をすることは可能です。ただABテスト用の無料のツールもありますので、まずはそこから使ってみることをおすすめします。

無料ツールの例
Googleオプティマイズ
Googleオプティマイズ
Googleアカウントを作れば無料で使えるABテスト用のツールです。アカウント登録は1分でできます。Googleアナリティクスを紐付ければ、テスト結果をスピーディに確認できます。確認できる数値・要素はやや少ないものの、初めてのABテストであれば十分納得できるクオリティと言えます。
Juicer
Juicer
ユーザー分析BMPのjuicerには、A/Bテストの機能も付いています。ABテストを含む基本機能は無料で使用可能。ABテスト以外に、BtoB分析、ペルソナ分析等も行えます。
有料ツールの例
Optimizely(オプティマイズリー)
Optimizely(オプティマイズリー)
世界最大手のABテストツールのひとつ。世界の大手企業4000社が利用する等、その機能・制度はお墨付きです。その割に操作が直感的なのも魅力となっています。テストユーザーの絞り込みは地域やCookie等でも細かく分類可能です。
SiTest(サイテスト)
SiTest(サイテスト)
ドラッグ&ドロップでカンタンに要素の入れ替えをして、テストパターンを作れるABテストツール。Web制作の知識が少ない初心者でもテスト実施が行いやすいです。無料のトライアルがあり、気軽に試せるのも魅力となっています。

5.ABテスト実施

準備ができたらABテストに移りましょう。ABテストの実施方法には以下の2通りがあります。

  1. 逐次テスト:テストパターンAを一定期間公開し、その後にテストパターンBを同期間公開
  2. 並行テスト:Aパターン・Bパターンをユーザーごとに振り分けて同時公開

より精密なABテストの実施結果を得たいと考えるのであれば、LPOツールを使用した「並行テスト」を行うことをおすすめします。アクセス数や遷移等のデータは、曜日や時間等によっても大きく左右されるからです。

6.テスト期間

ABテストを行う期間は、製品やサービスによっても変わります。ただし最短でも一週間はテストを実施した方が良いでしょう。また反対に、あまりにもテスト実施の期間が長すぎるもの考えもの。2ヶ月もデータを取ってもあまりデータに変動は出ません。2~3週間程度で切り上げるのが一般的です。

7.テスト結果・分析

テストの結果が出たら、数値等を細かく見ていきましょう。ツール「Googleアナリティクス」等を合わせて使うのがおすすめです。ABテストで得たデータから「ユーザーが好むパターン」をつかめば、それは今後のWebマーケティングにも活かしていくことができます。

おわりに

ABテストのメリットややり方はわかりましたか?上でも解説しましたが、ABテストの変更点は「一箇所」に絞り込むことが大切です。せっかくテストだから…と2箇所も3箇所も変更すると、「顧客を掴む要素は何なのか」が曖昧になってしまいます。

またABテストの効果をフルに発揮させるには、目的に達するための「改善点」を適切に絞り込むことが大切。そのためにも、まずは現在のサイトの改善点をしっかりと分析するところから始めてみましょう。

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