「集客や売上アップのために、そろそろサイトリニューアルをしようかな」と考えている経営者・Webマーケティング担当者の方は多いのではないでしょうか?でもそこで気をつけたいのが、サイトリニューアル時のSEO対策です。
たしかにサイトをうまくリニューアルすれば、大幅な売上アップにも繋げられる有効なマーケティング手段となります。しかしGoogle等の検索エンジン最適化である「SEO」を考慮に入れないサイトリニューアルをして、アクセス数を大幅に下げた…こんな失敗例も実は少なくありません。
サイトリニューアルに失敗しないために、SEOをキチンと意識したサイト変更を行っていきましょう。ここではよくあるリニューアル時の失敗例と、それを回避するための対策を解説していきます。
お好きな見出しからどうぞ
1.人気ページの title や H1 が変更された
サイトリニューアルの際に気をつけたいのが、titleやH1(見出し)、meta descriptionなどに入れるキーワードの内容です。
気軽に内容を変更したり従来のキーワードを削除してしまうと、そのキーワードでの評価が一気に下がる恐れがあります。
多くの読者を惹きつけていたコンテンツやページのtitle・H1等のキーワードが削除されてしまった場合、サイト全体のアクセス数ダウンにまで影響が及んでしまうことも。特に近年、よく見られるトラブルとしては次のようなものが挙げられます。
- 同一ディレクトリ内にあるtitleがまとめて変更・削除される仕様
- ページ毎でのtitleの変更ができない仕様
metaは個別でも変更できる仕様に!
「titleは一括変更できる」と言われると便利そうに思えますが、一括変更しかできない仕様ではSEO的に意味がありません。一括と個別の両方の対応ができる作りにすることが大切です。
2.削除ページを適切に404設定していない
サイトリニューアル時には、「このWebページはもう必要ない」と判断されるページもあることでしょう。この時大切なのが、「存在しなくなったページ」の対応です。
やってはいけないのは「以前の内容に適応するページが無いから」と、301リダイレクトで「トップページ」にリダイレクトをしてしまう方法。これだと「同じ内容のページに転送をする」という301リダイレクトの原則から反するため、SEO的によく有りません。
ユーザー側からしても、例えば「味噌汁のレシピがほしい!」と探しに来たのに調味料会社のトップページに飛ばされてしまったら、何がどうなっているのかわかりませんよね。
以前(2018年3月31日)、国税庁サイトのリニューアル時に全ページURL変更でトップページに飛ばされてしまったリダイレクト設定のミスがあった出来事が記憶にあります。
長官もリニューアル→国税庁サイト、リニューアルでほぼすべてのURLが変更。リダイレクトもなくユーザー阿鼻叫喚【やじうまWatch】 – INTERNET Watch https://t.co/2LwU5NVabh
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) April 4, 2018
【SEO対策として適切な対応】
- 前ページを引き継ぐページがある場合 301リダイレクトで新ページへ誘導
- 以前の内容に適応するページが無い場合 404ページを設定
以前の内容に適応したページが無い場合には、必ず404で対応を。直接リダイレクトするのではなく、リンクを掲載し、ユーザーにすすんで遷移してもらうことも大切です。
404ページは作り方にも要注意
404ページ制作の際には、次のような点に気をつけて制作をした方がユーザーの離脱を防げます。
【404ページ設定の注意点】
- 404ページ(ページ削除)であることがすぐにわかるデザイン
- サイトデザインを404ページも揃えて統一感を出す
- トップページや関連ページへのリンクをつける
3.XMLサイトマップを設定していない
XMLサイトマップ(sitemap.xml)とは、サイト内にあるページをリストアップして、検索エンジンのクローラが情報をクロールしやすくするためのファイルです。一般的なサイトマップとは意味が異なります。
XMLサイトマップは、各検索エンジンが提供するサポートツールで登録を行うか、robots.txtに「Sitemap: http://www.example.com/sitemap.xml」の記述を行ってサイトマップの場所をエンジンに伝える方法を取るのが一般的です。
リニューアル直後のサイトは検索エンジンに素早くクロールさせる必要がありますから、設定をしておいてクローラビリティを高めましょう。
Google SearchConsoleは必須
XMLは無料の「GoogleSearch Console」でも設定が可能です。早めに設定しておくことをおすすめします。
4.ドメイン変更を伝えていない
サイトリニューアル時には、できればドメイン変更はしない方がSEO的には有利です。ドメイン変更の直後は、大きくアクセス数等が下がる可能性が考えられます。
中でも最も大きなトラブルになりやすいのが、Google側にドメインの変更を伝えていないケースです。どうしてもドメイン変更をする場合には、Google SearchConsoleやGoogleアナリティクスを使用してドメイン変更の設定を行う必要があります。
Google SearchConsole設定をよく見直す
「Google SearchConsole」に登録はしているものの、内容があまりわかっていない」…こんなことはありませんか?Consoleの導入はしているものの、ドメイン変更の手続きが完遂していないケースも多く見られます。サイトリニューアル後には、いま一度設定をよく確認してみましょう。
5.インデックスの拒否設定を外していない
意外と思われる方も多いかもしれませんが、検索エンジンからのインデックス拒否設定(noindex)を外さず、インデックスを拒否し続けてSEOに壊滅的に失敗したというケースは稀に起こります。
indexの拒否とは、検索エンジンのクローラーが情報収集をしないようにする設定のこと。robots.txtでクローラーを拒否できるほか、WordPress等の場合にはワンクリック(設定画面でのチェックの有無)で検索エンジンでの表示設定をすることができます。
テスト中の拒否設定を全チェック!
indexの拒否は、企業サイトの場合ですと主にサイトのリニューアル作業中・テスト中である場合などには用いられるものです。サイト公開後にはindexの拒否設定をすべて外すのですが、noindexを外すのを忘れたり、間違って拒否設定にチェックを入れたままになっているということも。
特にWordPressですとカンタンに拒否設定ができるため、よくわからずに設定し続けているケースも見られます。
6.内部リンクのURLをそのままにしている
特にドメイン変更を伴うサイトリニューアルを行った場合に気をつけたいのが、サイト内にある内部リンクの記述です。各ページに以前のドメインのままのリンクが貼ってあれば、最悪の場合にはそこら中でリンク切れを起こしてしまっていることもあります。
特にWordPressやCMSでブログや記事を制作している場合等には、記事内のリンク設定を忘れてしまっていた……というケースが多いです。
ユーザーの快適度も大切に
「リダイレクトするからいいだろう」とHTML上の書き換えを後回しにしたがる人もいますが、リダイレクトを挟むとその分だけページの遷移時間が長くなり、ユーザー側の快適さが失われます。
リダイレクトに頼り切らず、以前のURLの記述は適切に新しいURLに書き換えることが大切です。
7.SSLを適用した設定をしていない
リダイレクト関連ではもうひとつ、「SSL」での失敗もよく見られます。サイトリニューアル時にSEO対策としてSSLを導入したという人も多いのではないでしょうか?
しかしSSLを適用した場合、リダイレクトの際にも設定するURLは「https://」となります。従来の「http://」の記述のままにしていると、Googleからの評価が分散されてもったいないことになってしまいます。
HTTPS をランキング シグナルに使用します
HTTPS ページが優先的にインデックスに登録されるようになります
8.内部リンクが少なすぎる
「内部リンクが少ない方が今後の変更もラク」「ハンバーガーメニューがあるから、内部リンクがそんなに無くても読者はわかるはず」このような考えから、内部リンクを極端に減らしてはいないでしょうか?
確かにハンバーガーメニューがひとつあれば、スマホでサイトを閲覧しているユーザー等はそこそこは好きなページに遷移することができます。しかし、検索エンジンのクローラーはそうではありません。
Google等の検索エンジンのクローラーは、一定の記述があることで初めて「このページの先がどのようになっているのか」を読み取ることができます。ハンバーガーメニューやフォーム等に頼りすぎて基本の内部リンクを減らしてしまうと、Googleのクローラーはページ各部の連携を把握できなくなったが故に「不親切なサイトである」と判断し、サイト評価を大幅に下げてしまう可能性もあるのです。
内部リンク見直しはサイトの要
内部リンクはSEO的に重要であるだけでなく、うまく使えばユーザーの導線にもなる優れものです。
内部リンクの設定を見直しただけで、検索流入率を飛躍的に上げたECサイトもあります。「なんとなくの見た目」だけでなく、しっかりとした内部リンクの設計を考えることが重要です。
9.テキスト量が減らされている
「せっかくサイトリニューアルをするのだから!」と、見た目のデザインにこだわる方は多いことでしょう。自作の場合はもちろん、サイト制作業者に外注をする場合でも、見た目の良さには気を使う人がほとんどではないでしょうか。
しかし気をつけておきたいのが、見た目やインパクト、わかりやすさを重視するあまりの「テキスト量の減少」です。
【テキスト量が少なくなる例】
- レシピや説明をテキストでなく「画像」にしている
- 画像を大きく掲載するためにテキスト量を削っている
- 写真があるからテキスト説明は不要と考えている
- 動画があるからテキストは不要と考えている
残念ながら、これらはSEO的にはすべて「NG」です。テキスト量の著しい減少は、Googleからの流入率を大幅に下げ、サイトリニューアルを失敗させる大きな要因となります。
一定のテキスト量は必要
SEOにおいて、テキスト量は非常に重要な要素です。いくらその他の要素を散りばめても、テキストが少なければ「情報量が少ないサイト」と判断され、大幅にGoogleからの評価を下げてしまう恐れがあります。
原則としてどのページでも一定のテキスト量は必要であると考えてください。
テキストを画像化するより、HTMLテキストとした方がSEO的には圧倒的に有利です。フォントや行間等のデザインを考えれば、安易な画像化をしなくても美しいサイトデザインは作れますよ。
タブやアコーディオンで隠しても
「どうしてもパッと見た時の文字を減らして、スッキリしたデザインにさせたい」という場合には、タブやアコーディオンを使ってみるのがおすすめです。
「読みたい時にクリックすれば詳細が読める」という形でテキストを混ぜ込んでおけば、ユーザーにも親切ですし、見た目にもサッパリとしてSEOにも響きません。「見た目とSEOの両立」はなかなか高度なテクニックを必要としますが、工夫をすれば両立は不可能ではないのです。
10.キーワード選定がブレている
SEO対策のキーワード選定では、原則として各ページに対してどのキーワードを選ぶかを個別に考えていきます。
例
ページ1:「時計 選び方」
ページ2:「時計 価格」
ページ3:「時計 男性向け」 等
「キーワード選定が面倒くさいから」と全ページで同じキーワードだけを散りばめたり、漠然とビッグキーワードを入れているだけでは、いくら見た目が良いWebサイトを作ってもユーザーは流れ込んできません。多くのユーザーを掴むために、キーワードの選定には力を入れていきましょう。
拡張しやすいサイトにしよう
SEOを考えたキーワードの選定では、上のように細かくキーワードを考えながら各ページに割り当てていきます。より上位表示を狙うのであれば、少しずつページを増やして様々なキーワードに対応できるサイトにすることが大切です。
「一度作ったら完成」というサイトではなく、少しずつページと情報量を増やしやすいように「拡張性の高さ」も重視していきましょう。
おわりに
サイトリニューアルの時には、つい見た目のデザインの格好良さや画像の美しさ、新しい雰囲気等に惑わされてしまいがちです。しかし本当に売上・集客等の結果を出したいのであれば、見た目だけでは勝てません。
サイトリニューアル時にもSEO対策をしっかりと意識すること、制作を外注する場合には、その点をよく理解したWeb制作業者を選ぶことが重要と言えるでしょう。
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