集客方法

行動心理学で集客・売上アップ!Webマーケティングに取り入れるべき5つの心理法則

「行動心理学」とは、人の行動の根本になっている心を研究していく学問のこと。こう言われると「なんだか専門的で、難しそう」と感じるかもしれませんね。でも、例えば私達が「なぜ買いたくなるのか?」「なぜ欲しくなるのか?」そんな心の動きをわかりやすく説明している学問なんです。

売上アップ・集客アップといったマーケティングを考える上で、人間の「心の動き」を予測することは非常に重要な要素となります。同じ商品・サービスであっても、行動心理学の法則を捉えた上での宣伝とそうでない宣伝では、売上率に200%以上もの差が出ることもあるんですよ。

マイ
今回は消費関連の行動心理学の中でも基本となる5つの心理法則や原理と、その法則をWebマーケティングに反映させる活用事例についてご紹介していきます。

お好きな見出しからどうぞ

1.親切にされると買わなくてはと思う--「返報性の原理」

新設
スーパーやデパ地下等で「ご試食いかがですか?」と進められたことがある…という人は多いはず。ニコニコと親切な店員さんに進められて一口食べると、「まあ、嫌いではないかな」という程度でも買ってしまうということってありませんか?実はコレ、行動心理学の中でも基本中の基本である「返報性の原理」を使った古典的なマーケティング戦略なんです。

好意に対して好意で返す「返報性の原理」

人間は他人から親切にされる・施しを受けると、「お返しをしなくては!」「自分も相手になにか施しをしなくては」と無意識のうちに考える傾向を持っています。反対に悪意(不親切な態度、否定的、非協力、軽視等)」を向けられた場合には、相手に対して悪意を持って返します。

好意に対しては好意を、悪意に対しては悪意を--このような「相手と同じお返しをしようとする(返報する)」という人間の心理傾向は「返報性の原理」と呼ばれています。前者を「好意の返報性」、後者が「悪意の返報性」と呼ばれることが多いです。

マイ
マーケティングの場合には顧客から施し(購買・来店アクション)を起こして欲しいわけですから、当然のことながら店舗・企業側がまず「好意・施し」を行わなくてはいけないというわけですね。

好意に対して好意で返す!わかりやすい「事例」

好意に対して好意で返す出典:ニコニコ動画

幼女が通りすがりの人に手を振って「バイバイ」と、手を振りながら愛想を振りまく行為に8割以上の人が笑顔で振り返してくれます。とても微笑ましいシーンですね!これも、好意に対して好意で返す「好意の返報性」です。

「好意の返報性」をWebマーケティングで行う事例

返報性の原理をWebマーケティングに反映させた例としては、以下のようなものが挙げられます。

●リアルタイムでの相談・問い合わせ

アパレルショップ等の実店舗で、店員さんに相談や質問をして丁寧に回答してもらえると、俄然その人から服を買いたくなった…という経験がある人も多いことでしょう。購入における迷いや不安を丁寧に解消して貰えると、消費者は「購入」という返報で店舗・企業側に好意を返そうとします。

ただ、かつてのWebマーケティングでは実店舗のようなリアルタイム相談を受けるのが難しいところでした。しかし現在ではリアルタイムチャット等で「スピード感のある交流」を行うことが容易となっています。「これを買おうと思うんだけど、サイズってあります?」「女性に人気のカラーってどれですか?」こんな消費者からの問い合わせや質問にスピード感をもって親切に対応するだけでも、購買率は大きく上がっていくのです。

【導入例】
・リアルタイムチャットでの相談窓口設置
・SNS(LINE・twitter等)によるスピード感のある問い合わせ対応 等

●役に立つエデュケーショナルコンテンツ

Webユーザーは必ずしも「購買」のためにネット検索をしているわけではありませんね。「何かを知りたい・わからない」と感じた時、回答を見つけたいと情報を探す…これがネット検索の常套です。企業・メーカー・店舗側がユーザーの疑問・不満・不安を解消する「回答コンテンツ」を用意しておけば、ユーザー側は「企業が提供してくれた情報が役に立った」と感じ、企業・店舗に対する好意を持ちます。

【導入例】
・食品メーカーによる料理レシピコンテンツ
・アパレルショップによるコーディネート例コンテンツ
・ヘアサロンによるヘアケア指南コンテンツ
・整骨院による健康についてのQ&Aコンテンツ 等

●無料サンプル配布・モニター募集

「返報性の原理」の効果が非常に強く現れるのが、「施し」が手に取れるものであった場合です。前述した「試食」も、実際に口にして味わえるもの。しかも「無料で食べた」という点が効果を大きくしているわけですね。

Webマーケティングの場合では、「試食」の代わりに「無料サンプル」もしくは「特別価格サンプル」の配布といった形で同じような売上上昇効果を狙うことができます。また手に取る形の「製品」ではなく「サービス」の場合には、見込み客に「モニター」になってもらうのも手です。

こちらも「無料でサービスを受けられる(施しを先に受ける)」ことになりますから、やはり顧客側は「その後に有料サービスでお返しをしなくては」という考えを強く持つようになります。

【導入例】
・健康食品の無料サンプル配布(申込者に対しての無料送付)
・化粧品のサンプル配布(購買者に対して新製品サンプルをプラスして送付)
・ヘアサロンによるカットモデル・カラーモデルの募集 等

【参照動画】会員カードを作ってもらう方法を解説|パチンコ店例【返報性の原理】

2.真ん中のランクを選んでしまう--極端回避性(松竹梅の法則)

松竹梅
あなたがまだあまり親しくない取引先の人と、初めてのレストランに行ったと考えてみましょう。「お会計は割り勘」と最初から決まっています。600円の特売梅ランチと850円の竹ランチ、1500円の松ランチの3種類があります。さてこの時、あなたはどのランチを選びますか?--この回答に対しては、65%近い人が「竹ランチ」と回答しています。「松竹梅」の3ランクがある時に「真ん中の竹」を選ぶー 

マイ
これは「極端回避性」もしくは「松竹梅の法則」と呼ばれる心理的法則なのです。

「高いものの方が良い」が最安値製品を避ける

消費者は誰もが「できたら良い品(サービス)を買いたい!」と無意識に考えています。ランチであれば「できるだけ美味しいもの」、家電であれば「性能が良いもの」が欲しい…という具合ですね。また同時に、消費者には「高いもの=良いもの」という固定観念が植え付けられています。そのため3つ以上のランクがあった場合、「安い方(低方向の極端)は回避しよう」という考えが浮かぶのです。

また先程のレストランの例のように、「まだ親しくない人」「目上の人」「見栄を張りたい相手」等に対する消費の場合、「安いものを買う人間と思われたくない」という心理(見栄)もこの「最低ランクの回避」を後押しします。つまり以下のような傾向の製品の場合、いくつかの値段ランクを作っておけば「最低ランクは選ばない」という人が特に増えるわけです。

・お中元・お歳暮
・バレンタインデー
・クリスマスプレゼント
・誕生日プレゼント
・記念日のディナー
・グループ旅行・カップル旅行 等

上位製品とのコントラストが「竹」へと促す

「できたら良いものが欲しい…」と考えてはいても、消費者の中にはある程度の予算限度があります。「良いものならいくらでもお金を出す!」というわけではないんですね。しかしこの「予算限度」をかなり上にまで引き伸ばすのが、「飛び抜けた上位製品(松)」の存在です。

ヘッドフォンを量販店に買いに行った客が居るとしましょう。元々の予算は概ね5,000円程度です。しかし店には15,000円の上位製品、7,500円のミドルクラス製品、3,000円の廉価製品がありました。この場合、先程の説明のとおり「最安商品=低品質かも?」という固定概念が消費者にはありますから、3,000円商品(梅)は回避されます。そして「15,000円はきっと良いものなんだろうけれど、それはさすがに買えないな…」と最上位製品(松)も回避となります。

でも消費者の脳内には「15,000円のとても良い商品がある」というアンカリングがされている状態です。「7,500円なら半額だ」と、ミドルクラス製品のことを実際よりも安く感じます。「元々の予算よりは高いけど、これくらいなら…」ということで、計画よりも高い7,500円の「竹ランク製品」を購入するのです。

マイ
上位製品があるという「コントラスト(対比)」が、ミドルクラス(竹)の製品を相対的に低価格に感じさせたというわけですね。

「松竹梅の法則」をWebマーケティングで行う事例

極端回避の法則(松竹梅の法則)」を使えば、「竹(ミドルクラス)の製品が最も売れることになります。つまり「最も売りたい製品(コース)」を中庸に起き、上位・下位の選択肢を作ることで、消費者の目線を自然と「竹」へと導いていくのです。

●最上位商品を必ず置いて「比較」させる

コントラスト効果を強くさせるために、推したい製品・サービスよりも1ランク~2ランク以上高価格帯の製品・サービスを必ず設置しておきましょう。品質・性能等が非常に良いもので、なおかつ「一般消費者がちょっと手を出しにくい価格帯」にするのがコツです。

【導入例】
・旅館の部屋案内→特別の離れ・スイートルームの選択肢(1泊10万クラス等)を用意
・レストランのクリスマスディナーコース→メインとなる竹コースの1.25倍~1.5倍の「スペシャルコース」も用意

●廉価製品は「リスク」を暗示する

「竹」へと誘導するには、当然のことながら「梅」の製品(廉価製品)も準備しておかなくてはなりません。3つ以上のランク(製品・コース)を並べて、最終的に竹製品へと誘導するのが理想というわけですね。しかし「安いし、こっちでいいかな…」と梅に傾かれてしまっては意味がありません。ここで大切なのが、「梅製品にはリスク(デメリット)がある」という点をアピールするということです。「デメリットがあるのか」と不安になった消費者は、よりリスクの少ない竹製品へと動きやすくなります。

【導入例】
・基礎化粧品(美白化粧水)の安価製品:説明書きで「とにかく美白だけしたい人におすすめのシンプルアイテム」「シワや乾燥は大丈夫という人に」と説明→竹製品で「美白+保湿」もしくは「美白+アンチエイジング」といった多機能性を持たせることで竹へと誘導

・フィットネスジムの割引コース→説明書きで「平日午前(12:00まで)限定」であることを説明、12:00を超えた利用には追加料金発生→「時間を気にせずゆったり使いたい人にはこちら」と竹コースへと誘導

廉価製品の「価格の安さ」は、顧客を最初に惹きつけるポイントともなります。例えば最初に「500円か、安いな」とチェックを始めた顧客を「松・竹・梅」の法則で捉え、最終的に800円~1,000円の商品へと誘導するといったこともできるんです。

3.みんなが選ぶものが欲しくなる--「バンドワゴン効果」

行列
今度は「物産展」の例で考えてみましょう。デパートで行われる「全国駅弁大会」、日本中の駅弁のお店がズラリと集まっています。でもあなたは駅弁のことを良く知らない状態です。あるひとつのお店には、随分と人が集まって並んでいる様子。その他のお店は人がまばらです。さてあなたは、人が集まるお店で駅弁を買いますか?それとも人のまったく居ないお店に行くでしょうか?--この問題については、既にデパートの売上調査でれっきとした結果が出ています。

一度「行列が出来た店」は人が途切れることなくやってきて、「行列・人だかりが出来ない店」は一日中閑散としたままなのです。

マイ
「みんなが選んでいるものなら良いものなんだろう、と欲しくなる」--これを心理学では「バンドワゴン効果」と呼びます。パレードの先頭で楽しく音を鳴らしているバンドワゴンについつい誰もが付いていってしまう、流行に乗ってしまう…そんなイメージから付けられた心理傾向なんです。

 

「失敗をしたくない」が生む「後追い現象」

前述のとおり、消費者には常に「良いものを選びたい!」という意識があります。反対に「とにかく失敗はしたくない」というのも共通の意識です。せっかくお金を払うんだから、まずかったり、気に入らないものは買いたくない…当然の考えとも言えますね。

でも購入する製品やサービスに対して知識が不足している時、誰もが自分の選択肢に不安を覚えます。「もしかしたら失敗するかも…」そんな不安を打ち消してくれるのが「他の人達が選んでいる」「みんなが買ってる」という「他者達の決断」なんです。大きな流れに乗った方が、失敗は少なそう、無難そう。

そんな思いが「行列の店」に人を集まらせるんですね。特に現代の日本の若年層では、このような「失敗回避」「他者の後追い」の傾向が強まっていると言われています。

「バンドワゴン効果」をWebマーケティングで行う事例

●人気ランキングを作る

「どれを選べば失敗しないんだろう」と迷っている消費者に強い効果を与えるのが、「ランキングコーナー」の設置です。ランキングの1位・2位に強く薦めたい製品・サービスが入っていれば、選択肢に迷っている消費者の多くがその製品を選びやすくなります。

【導入例】
・月間(年間)の注文数ランキング
・レビュー数ランキング
・お気に入り登録数ランキング 等

●レビュー欄・コメント欄を作成する

実店舗がある店の場合、見込客達は「店舗の混み具合」で店の活気を判断することが多いですね。しかしオンラインのみの店舗の場合ですと、見込客達は店舗が人気なのか(多くの人に選ばれているのか)の判断が付きません。そこで「賑わっている店舗」という印象づけとなるのが、製品の「レビュー欄」です。

購入した製品についてのレビューがたくさん付いていれば、顧客は「売れている商品だ」と感じるだけでなく「人がたくさん来る店=人気の店」という印象を持ちます。バンドワゴン効果によって「この店で買おう」という決意をしやすくなるのです。

【導入例】
・各製品のレビュー欄の設置
・公式ブログへのコメント欄の設置
・「お客様の喜びの声」のページの設置(使用感想のコーナー) 等

4.「ついで買い」で客単価アップ!--「テンション・リダクション」

スーパーやコンビニで色々買い込んだ後、レジで並んで待っている時。レジ横でふと目についた新製品の飴やガムを「あ、これも買おう」と一緒に買ったことってありませんか?店に入る時には買うつもりがなかった製品を「ついでだから」とヒョイッと買う--実はこの行為も、店舗・企業側によって仕掛けられたマーケティング戦略なんです。

マイ
ひとつ以上の製品(予定していた製品)を購入した時、つい「予定していなかったその他の製品」もついでに買ってしまう…このような行動選択を取ることは、心理学で「テンション・リダクション」と呼ばれています。

「購入決断後」は緊張の糸が緩む

消費者にとって、商品・サービスの購入は「決断の時」です。どんなに安い買い物であっても、消費者はソンをしたくないもの。店舗に入って「予定した買い物をする」という時には、「できるだけ良いもの」「自分に合っているもの」「今季限定の商品」等の中からベストな選択をしようとしている状態なので、無意識のうちに緊張しています。

また購入決断後までは「ムダ買いをしない」「高い買い物をしない」といった心の防御力も高い状態。ここでアレコレと複数の品物を薦められても、消費者はなかなかお財布の紐を緩めようとはしません。

ところが一旦「コレに決めた!」と決断をすると、それまでの緊張の糸は一気にほどけます。つよくかかっていたテンション(圧力)が緩んだ状態--これが「テンション・リダクション」です。レジに並んでいる間や、店員に商品を渡して会計をお願いしている間…こんな時には消費者の心が緩みますから、他のものを薦められると「それもいいな」とついつい「一緒買い」をしてしまうんですね。

「テンション・リダクション」をWebマーケティングで行う事例

店舗・企業側にとって、テンション・リダクションの瞬間は客単価を上げる絶好のチャンス!「決断を済ませた後の顧客」の隙間に食い込む戦略が重要になってきます。

●カート画面でのレコメンド機能

オンラインショップの場合、「レジに並ぶ時間」に匹敵するのが「カート画面」。ひとつの商品を顧客がカートに入れて会計画面に推移したら、即座にその商品に対応した「オススメ商品」を表示させるのが「レコメンド機能(レコメンドエンジン)」です。レコメンドエンジンを上手に使いこなしているECサイトの中には、機能導入後に売上が前年比115%以上もの伸びを見せたサイトもあるほどの効果を見せています。

【レコメンド機能の導入例】

・購入予定商品Aに対する付属品・消耗品の紹介
例えば電池式電化製品を購入した顧客には、長時間使用できるアルカリ電池を。また薄い色味のスカートの中に合わせるペチコートを…といったように、購入製品の使用に必要となり得る消耗品・アンダーウェア等を紹介していきます。

・「セット使い」でより便利になる製品
例えばスカートAにコーディネートしやすいコートB、鍋Cにピッタリと収まるカゴD等、セットで使用することでよりグレードアップするオプション品や対応製品等を紹介します。

・顧客の好みに合わせた製品
ページ表示履歴・購買履歴等による統計データを元に、同じ商品を買った顧客達が他にどのような製品を買っているか、どのような商品をチェックしているかを案内します。

●契約直前の「オプション追加」の勧め

契約書を交わすような高額商品、旅行関連・美容施設等のサービス関連の場合には、購入契約直前の「オプション追加」が効果的と言われています。オプションサービス追加を促す大きなポイントが、「契約後(購入後)だとオプションが値上がりする」という一文です。

契約前にセットでオプションを入れればお得で、契約後になるとオプションが値上がりしてしまう…「テンション・リダクション」に加えて「時間の限定性」が生まれることで、顧客は「今、追加しておいて方がトクだ」という判断をしやすくなります。

【オプション追加の導入例】
・ヘアサロン:オンライン予約時のみのトリートメント料金割引制度導入
・旅館:宿泊予約時のみ、食事グレードアッププランが割引可能 等

●購入直後の「サンクスメール」でおすすめを紹介

「テンション・リダクション」の効果は、一般的には高額商品になるほど長持ちすると考えられています。つまり購入・契約直前だけでなく、「購入後」も消費者の心の壁は緩みやすくなっているんです。この時を狙って送りたいのが、購入者に送る「サンクスメール」。購入に対するいわゆる「お礼メール・確認メール」ですが、お礼のメッセージだけでなく製品のオススメも一緒に行っていきます。

【サンクスメール導入例】
・サンクスメールに商品購入後1ヶ月利用できる500円引きクーポンを添付
・予約御礼メールに当日申し込みできるオプションサービス割引きクーポンを添付
・購入一週間後の感想確認メールに、購入商品に対応したレコメンド商品を案内 等

5.「無いもの」ほど欲しくなる--希少性の法則

今度は昼ごはんを買いに行くところを思い浮かべてみましょう。コンビニ弁当にするか、おにぎりにするか、カップ麺を買うか…まだ今日の昼ごはんを完全には決めていない状態ですが、おそらくコンビニで買う予定になっています。ところがあるパン屋の前を通りかかったところ、「1日限定50個」の特製カレーパンが残り3個という状態でした。どうでしょう、「今日はこのカレーパンにしようかな」と思いませんか?

マイ
パン屋の前を通りかかるまで、「カレーパン」という選択肢は頭にも無かったはずですよね。ところが「限定商品」で更に「残りが少ない(今しか買えない)」と言われると、俄然「食べてみたい!」となるんです。このような心理法則は「希少性の法則(原理)」、「限定性の法則(原理)」と呼ばれています。

 

「珍しいもの=価値が高い」と感じる心理

人間は「なかなか手に入らないもの」に対して、実際よりも高い価値を感じるという傾向を持っています。例えばダイヤモンド等の宝石類が高額なのは、単に「美しいから」というだけでなく「産出量が少ない」という希少性(珍しさ)が混じっているからなんです。

キャビアやフォアグラといった高級食材が「高級」であるのも、これと同じこと。なかなか口にできない理由があるからこそ、「珍しくて高級→おいしい」という感覚が生まれるんですね。この他「希少性」は、以下のような要素で生まれます。

【希少性が生まれる要素の例】
・天然ものである(養殖ができない、人工加工ができない製品等)
・産出国が限定される(本場フランス産等)
・ハンドクラフト製品である(日本の職人の手作り) 等

「限定性」によって生まれるプレミア感

高級食材や高級素材等を使っていなくても、「レア感」「プレミア感」を出すことはできます。それが「限定性」の付加です。例えば前述のカレーパンは「数量の限定」ですよね。「いつも売っているわけではない」「朝のうちに早く買わないとなくなる」という「限定感」があるからこそ、「買える時には買っておきたい」という気分が生まれるわけです。「限定感」はこの他に、以下のような要素で作り上げることもできます。

【限定性が生まれる要素の例】
・地域限定:特産品のお菓子等が代表例です。
・季節限定:コンビニでは季節限定の菓子がよく出ます。和菓子屋の季節菓子類等も同様です。
・期間限定:「1月限定」といった月間決め、「決算セール」等もこれに当たります。
・会員限定:特典を受けたり、購買ができる対象者が限定されます。
・時間限定:スーパーマーケットの「夕方セール」「朝市」等がこれにあたります。
・店舗限定:大型店でしか購入できない製品、本店でしか買えない製品といった限定性です。

希少性・限定性の法則をWebマーケティングで行う事例

●製品ヒストリーの案内コンテンツ・商品説明

商品・サービス説明では、できるだけ「希少性」をアピールすることが大切です。また製品開発・原料研究等の「開発・研究ヒストリー」を公開することで、より製品・サービスの希少性イメージを高めることもできます。

【商品説明への導入例】
≪デニムスカートの商品説明≫
江戸時代より藍染を特産としてきたジャパンプレミアデニムの本場・岡山の生地を使ったデニムスカート。この道30年以上の職人達が、一点一点手染めしています。通常ならば二度染めのところを、当製品では特別に三度の染め工程をプラス。より深みのある藍色は、時間を経るごとに味わいのある表情を見せてくれます。原料生産の関係により年間200着しか制作できないため、お早めにご予約いただくことをおすすめします。

【希少性アピールポイント】
・生産地域の希少性(伝統性)
・制作過程の珍しさ(他社製品との差異)
・生産数による希少性(数量限定)

●在庫数の表示

「在庫が残り少ない」と言われると、顧客は「今のうちに買わないと、次には買えなくなる」という焦りの気持ちを持つようになります。ただし全ての品物が年中品薄ですと「ヤラセ」と思われてしまいますので注意しましょう。

【導入例】
・製品紹介ページ・注文ページでの在庫数の表示
・「在庫僅か」になったら赤字で表示
・お気に入り登録者に対して、在庫僅かになったらお知らせメール 等

●メンバーズオンリーセール

特典対象者が限定されたサービスは、「他の人が受けられないオトク感を自分が受けられる」という優越感をくすぐります。特に割引セール等の場合、「期日が過ぎたら元の価格に戻る」と言われると「期間限定性」が強くなるため、顧客は「今のうちに買っておいた方が良い」という判断をしやすくなります。

【導入例】
・登録メンバー限定の先行ファミリーセール
・メルマガ会員限定のポイントアップ期間 等

●オンライン限定製品・オンライン経由限定サービス

実店舗とオンラインの両方で製品販売・サービス展開を行う場合、「オンライン限定」の特典や割引サービスを行うのも手です。「実店舗に行ってからでは遅い」という限定性が、「Webで早めにアクションを行おう」という後押しになります。

【導入例】
・Web申し込みの場合には料金10%OFF(期間限定)
・オンラインからのみ予約できる特別メニュー
・メルマガの合言葉を言うと店舗で無料サービス 等

おわりに

返報性の法則、松竹梅の法則、テンション・リダクション…ひとつひとつの法則の名前は「初めて聞く」というものであっても、実例を見ると「自分もそうだなあ」と感じるところが多いのではないでしょうか?上記のような心理法則は、多かれ少なかれどの消費者も持つ「心の動きの傾向」です。顧客の心の動きを掴みうまく誘導してあげれば、顧客は気分よく購買・契約アクションをしてくれます。

マイ
自分に向けられた店舗からの「好意」やレコメンドされた製品等に満足をすれば、顧客は何度も買い物をする「リピーター」ともなってくれることでしょう。行動心理学の法則をうまく使えば、「その場だけの顧客」を作るのではなく「長く店舗を愛してくれる良客」を取り込むこともできるのです。

関連記事

最近の記事

  1. 解体業がホームページで集客に成功する8つの秘訣

  2. BingのAIチャットとは?メリットや注意点を初心者向けに解説

  3. GoogleのAI「Bard(バード)」とは?日本語版公開は?初心者向け解説

  4. AIチャットボット「ChatGPT」とは?使い方・注意点を初心者向けに解説

  5. AI文章作成サービスってどう?マーケティングでのメリット・デメリット

TOP