Webマーケティングを成功させるためには、常に新しい専門用語についての知識も蓄えておきたいところ。今回チェックしておきたいのは「サイテーション」という用語です。
サイテーションは一般的な用語としては「表彰」や「論文の言及」を意味する言葉ですが、Webマーケティングの世界では意味合いも使われ方もかなり違います。サイテーションの内容を知っておいたり、サイテーション獲得のためのコツを知っておくことは、今後の公式サイト・ECサイト等の発展を考える上でも重要なことなんですよ。
今回は「サイテーション」について、その意味や考え方、サイテーション獲得のポイント、注意点等について、Web初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
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サイテーションとは?意味と歴史
サイテーション(Citation)とは、元々は「言及する」「引用する」「参照する」「表彰する」等を意味する英語です。例えば学会等では、多くの論文で参考文献として引用(Citation) をされるものほど学術的な価値が高いと考えられています。
ここから転じて、Webマーケティングの世界では「サイテーション」を「該当するキーワードのネット上で扱われる機会の多さ(言及される数)を示す用語として使用するようになりました。とてもカンタンに言えば、あなたの店舗や公式サイトの名前がどれだけネット上で呼ばれているか?を示す言葉というわけです。
サイテーションはSEOやMEOに関係する?
なぜWebマーケティングの成功のためにサイテーションが重要となるのでしょうか。それは、サイテーションがSEO(検索エンジン最適化)やMEO(ローカルSEO)の上位表示対策に良い影響を及ぼすと考えられているためです。
多くのサイテーションを獲得しているということは、それだけSNSやブログ等で店舗や企業の名前を多くの人が書いているということ。つまり知名度が高く、その店舗や企業について知りたがっている人が多いということになりますね。
つまり「サイテーションを多く獲得しているWebサイト」の方が、ユーザーが希望している情報を掲載している可能性が高い、というわけです。そのためネット上での露出の回数が多い(=サイテーションを多く獲得している)サイトの方が、Googleで上位表示されやすいというのがWebマーケティング専門家達の定説となっています。
- Googleで上位表示されたい
- Google Mapでの上位表示を狙いたい
- Webサイトへのアクセス数・CV数を上げたい
- Webマーケティングで売上・集客アップさせたい
- もっと企業・店舗の認知度を上げたい
このような「結果」を望んでいる企業経営者・Webマーケティング担当者であれば、サイテーション獲得に努めておいてソンはないことでしょう。
「被リンク数」から「サイテーション」へ
「SEO対策といったら、外部からの被リンク数の獲得ではないのか?」と考える人も多いことでしょう。確かに、被リンク数の獲得がSEOにおいて重要なのは現在も変わりません。
しかしSEO対策の基礎が固まったゼロ年代~2011年頃と現在の2020年では、ネットの中で大きな違いがひとつあります。それが「SNS」という存在です。
SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の例
- LINE
- Twitter 等
上記のようなSNS、どれかひとつはアカウントを持っている、または2~3個は登録して使いこなしている……という人がほとんどのはず。日本国内のネットユーザーは9,900万人台とされていますが、そのうちSNS利用者数は全体の80%に到達する7,975万人とされると推定されています。
このSNSの勢いは日本国内だけでなく、世界的にも巻き起こっています。今やネット上において、SNSの存在を無視することはできません。
リンクをしないSNSユーザーに対応
SNSは基本的に短い文章を投稿するために作られています。例えばTwitterの文字数制限は140文字までですし、Instagramで画像に付けられるハッシュタグは30個、136文字までが限界です。
URLを短縮するツール等もありますが、わざわざURLを掲載してツイートをするユーザーは少なめ。ブログに設置されているツイートボタン等を使わない限り、「積極的にリンクを掲載する」というユーザーがあまり居ない傾向です。
特に10代~20代の若年層スマホユーザーは「URL」「リンク」という概念にあまり親しんでおらず、従来であればリンクで引用していた情報を「スクショ(スクリーンショット)」等で引用する傾向が見られています。つまり、スマホユーザーは「そもそもリンクをしない」のです。
またGoogleでは表示順位を決めるアルゴリズムについて「被リンク数の多さ」が関連するとされていますが、SNSにおける被リンクは除外すると考えられてきました。しかし近年のSNSユーザーの爆発的な増加傾向の中にあって、「SNSでのユーザー達の発言・動向」を無視しつづけるわけにはいかない……というのは、誰もが思いつくところでしょう。
そこで着目されたのが「サイテーション」です。「リンク」ではなく「言及(サイテーション)」であれば、SNS内でのユーザー達の動向も指標のひとつにできます。
- Twitterで話題になっている
- Facebookで多くシェアされている
このような「サイテーションを獲得したサイト」がGoogleでの上位表示に結びつくのではないか–多くのWebマーケティング専門家達は、Googleのアルゴリズムの変化を上記のように考えているのです。
サイテーションを獲得する4つのコツ
ではどのようにしたら、インターネット上で多くのユーザー達にサイト名・店舗名・企業名等について言及してもらい、サイテーションを獲得することができるのでしょうか?
1.まずは現在のサイテーションをチェック
「サイテーションを獲得する」とは言っても、現在のサイテーションがどの程度なのかを把握していなくてはサイテーション対策の効果も感じられないですよね。まずは現在のサイテーションの状況を確認してみましょう。
Googleで確認
「 “サイト名” -site:サイトURL 」で検索
ちょんちょん「”」double quotation mark(ダブル‐クオーテーションマーク)で挟み、半角スペースに「 -site:サイトURL 」調べたいサイトドメインで検索。
簡易的な方法ですが、もっともシンプルに確認できるサイテーションです。サイト名とサイトURLを入れると、記載したサイトURL(ドメイン)以外のサイテーションを含むサイトの検索件数を確認できます。
Yahoo!で確認
Yahooリアルタイム検索は、検索したキーワードでのツイートの内容、ならびにここ30日間でのツイート数の動向を把握できる無料のツールです。店舗名・商品名・企業名等を入れて検索すれば、Twitterでどの程度のサイテーションを獲得できているのかを確認できます。
Google SearchConsoleを利用
GoogleSearchConsoleは、サイトの検索トラフィックや掲載順位(Googleでの表示順位)等を測定することができるツールです。利用にはGoogleアカウントでの登録が必要ですが、利用料等は無料。サイト名でどの程度検索をかけられているのか、実際の訪問数等を確認することができます。
【サイテーションの確認は定期的に!】
サイテーションの確認は、一度済ませたら終わりではありません。週に一度、2週間に一度等のペースを決めておき、どの程度のサイテーションを獲得できているかデータを取っておくようにしましょう。
特にWeb上での活動で大きな変更を行った場合には、こまめなサイテーションの確認を行うことが大切です。
2.サイト名・店舗表記の見直しを
サイテーションを多く獲得するには、たくさんのユーザーにサイト名や企業名・店舗名・商品名等を書いてもらう必要があります。この時に気をつけたいのが、次のような点です。
【サイテーションを獲得しにくい例】
- サイト名等が長すぎる
- 外国語表記等で正確な表記が難しい
- 漢字を間違えやすい(旧漢字等)
- 送り仮名を間違えやすい 等
サイテーションを大量に獲得するには、ユーザーに「正確な名前」で言及をしてもらうのがもっとも理想的です。すでに一定の知名度を獲得しているものであれば「愛称・略称」等もサイテーションの一環とされる可能性は期待できますが、そうでない場合には名称が統一されており、正確に言及される必要があります。
サイト名等の変更がしやすいものについては、思い切って短く覚えやすいものに切り替えるというのがもっとも手早い手段です。また飲食店や美容関連施設・アパレル関連等で外国語表記が難しいという場合には、カタカナ表記を並列させてそちらを浸透させるのも良いでしょう。
またサイト名等が他の商品や既存の固有名詞と被っていないかはよく確認してください。いくら多くのサイテーションを獲得したとしても、他社の固有名詞と同じものでは意味がありません。
3.ブログ・SNSに進出しよう
「Webマーケティングの手段は公式サイトやメルマガのみで、SNSは行っていない」…これはサイテーション獲得のためにはあまり褒められた状態とは言えません。上でも解説しましたが、現在のSNSユーザー達の活発な発言ぶりは見逃すことができない存在です。
彼らの目に止まるようにするには、同じSNSやブログ上でも活動を行い、話題となりやすい状況を作る必要があります。幸い、多くのSNSやブログは登録料・利用料無料となっています。ターゲットユーザー層の多いSNSには登録して、定期的な話題提供を行うようにしましょう。
4.引用されやすいコンテンツをプラス
サイテーションを獲得するには、公式サイトやブログを「言及されやすいもの」にすることも大切です。例えば一般的な店舗サイトの場合、商品メニューや営業時間等が掲載されているだけでは、なかなかその情報をSNS上等で「引用」「言及」しようとするユーザーはいませんよね。
でも例えばレストランのサイトで、役立ちそうなレシピが掲載されていたらどうでしょうか?「このサイトのレシピを参考に作ってみた!」「こんな面白いサイトがあったんだけど」と、ネット上で話題にする人も増えることでしょう。
「引用されやすいサブコンテンツ」を設置するかどうかで、サイトの引用率・言及率は変わってくるのです。
【引用・言及されやすいコンテンツ例】
- 美容院・ヘアサロン → ヘアアレンジの仕方、ヘアケア用品の選び方
- 園芸店 → 家庭菜園のコツ、庭木のケア方法
- アパレルショップ → コーディネート例、サイジングの方法 等
「役立つもの」「面白いもの」「ネタになるもの」「話題になるもの」はネット上で言及されやすいとおぼえておきましょう。
ネガティブなサイテーションに注意
いくら多くのサイテーションを獲得できても、それがマイナスのサイテーションでは意味がありません。例えば「ネット炎上」「悪い噂」「良くない口コミ」……このようなマイナスのサイテーションばかりが増えていけば、最悪の場合にはSEOに悪い影響を与え、Googleでの掲載順位が下がる恐れもあります。
【ネガティブなサイテーションを避けるために】
- ネット上で問題とされやすい話題には乗らない
- ポリティカル・コレクトネスを意識する
- 法令を遵守する、現在の法令を常に確認する
- サービスや商品の品質を高める
- 企業側の手違い、ミスがあった場合には真摯に対応する
当然のような話ではありますが、上のような基本的な対応ができているかどうかで、サイテーションの質も変わってきます。例えば「面白いだろうと他人のサイトや作品から画像を無断で持ってきて、SNSやサイトに掲載した」となれば、これは立派な著作権法違反です。
一度このようなミスを企業が行えば、ネガティブなサイテーションはまたたく間に広まってしまいます。現実世界でのサービスの品質にこだわるのみならず、ネット上での言動にも十分に気をつけるようにしましょう。
おわりに
サイテーションについて、また獲得のためのコツについての情報はあなたのWebマーケティングプランのお役に立ちそうでしょうか?Instagram、Tik Tokと、人気となるSNSは年々変わり続けていますが、SNS自体の人気は今後も右肩上がりであろうことが予測されています。
つまり私達のWebマーケティングプランにおいて、サイテーションの獲得は今後も重視されることは間違いないというわけです。サイテーションの獲得に気を配っているかどうかが、今後の経営にも差をつけます。
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