公式サイトや販売サイトに訪れるユーザーは居るはずのに、購買・来店といった「アクション」に結びつかない…その理由を「製品・サービスに魅力がないから?」「ニーズとマッチしていない?」と勘違いしていませんか?サイトに訪れるユーザーとは、本来は「店舗・商品に興味関心を抱いている見込客」であり、「購買アクションに最も近い客」です。
彼らがアクションを起こすのをためらいサイトから離れる理由には、「購買への不安」が隠されています。カンタンに言えば、消費者は「失敗をすること」が大嫌いなんです。
「買ってみたけど良くなかった」「店に行ったけど期待はずれ」…消費者はこのような「失敗」をできるかぎり回避しようとします。そのため、少しでも「不安」や「不信」が残る商品やサービスには手を出しません。
購買・来店といったアクションに繋げるには、「信頼度を高めるコンテンツ」を企業側がサイト上に先回りして準備し、ユーザーを安心させる必要があるのです。ここではユーザーの不安を消し売上アップ・集客アップに繋げるための「5つの信頼コンテンツマーケティング手法」を解説していきます。
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見込客が購入アクションを起こさない5つの「不安」
見込客(サイトに訪れたユーザー)が購買・予約・来店アクションを起こすのをためらう「不安」は、以下の5つに分類することができます。
1)システム・サービス・製品に不明点がある→「わからない」という不安
2)企業の名前を知らない・有名店ではない→「企業・店舗」への不安(企業不審感)
3)商品がヒット商品・ロングセラー商品等ではない→「商品品質」への不安
4)商品・サービスが「賢い選択」なのかを判断できない→「購入選択」への不安
5)製品が「自分に良い結果」をもたらすのかがイメージできない→「ベネフィット」への不安
5つのポイントのいずれかに「不安が残る」という状態だと、見込客は「失敗する可能性がある」と考えることに。「それなら買うのを止めておこう」とサイトから離れ、別の「安心できる選択肢」を探し始めてしまいます。企業側は5つのポイントそれぞれに「信頼を上げるコンテンツ」を設置し、対策を取る必要があるわけですね。
1.「わからない」を潰すには?→「Q&Aコンテンツ」
製品やサービスに対して、消費者側は様々な疑問を持ちます。ここでは例として「美容に良いドリンク」の販売で考えてみましょう。
【消費者が持つ疑問】
・開封しても合わなかったら返品できる?
・合成着色料や保存料は入ってる?
・妊娠中だけど飲んでも大丈夫?
・原材料の果物の生産地は?
・定期購入って途中で止められる? 等
さてこのような疑問がサイト内で解決できない時、消費者側は「問い合わせ」をするでしょうか?答えはNO!企業に電話やメールで問い合わせをすることは、一般消費者にとって心理的ハードルが高い行為です。また消費者側は、手間や時間がかかることを無意識に嫌います。
「わからないこと」があるから不安、でも問い合わせるのはちょっと面倒…それなら買うのを止めてしまおう、と考えるわけですね。このようなユーザーの「わからない」という不安を潰すには、代表的な質問を「Q&A」や「FAQ」のページ(質問と回答のコンテンツ)にまとめてしまうという手が最も有効です。
Q&Aに掲載する質問とは?
扱っている製品やサービスについて、ユーザーが疑問に持つと想定される質問を出来る限りリストアップしてみましょう。特に以下のような点は消費者が不安をいだきやすい点なので、必ず掲載しておくことが大切です。
【Q&Aに掲載するべきポイント】
・キャンセルについて(キャンセル料の発生、キャンセル方法等)
・返品について(返品の可・不可、開封後の返品、返品可能日数等)
・送料・送付方法について
・原材料産地、添加物配合について
・アレルギー対応について
・何らかの疾患、妊娠、生理中等の使用について
・メールが届かないといったトラブルについて 等
また既に顧客側から質問・問い合わせが来ている点があれば、できるだけQ&Aに記載しましょう。一人の顧客から受けた質問は、その20倍~50倍以上の顧客が疑問に感じている点であると考えた方が無難です。
2.「企業不審感」を消すには?→「企業情報コンテンツ」
大手メーカーや高級ブランドは、既にその知名度によって信頼感を勝ち得ています。いわゆる「ブランディング」の成果ですね。しかし小規模の店舗や企業の場合、ユーザー側はその企業のことをそもそも知りません。「もしかして悪質な会社かも…」「見た目がキレイなだけの飲食店かも?」消費者側は製品よりもまず「企業や店舗」に対して不安を抱きがちなんです。特に現在ではネットショップ等でのトラブル、ぼったくり居酒屋等の報道が散見されるため、ユーザー側は警戒心を強めています。
この点を解決するには、企業側が「企業・店舗のクリーンさと堅実さ」をアピールしていく必要があります。「企業情報コンテンツ」で情報を開示し、以下のような点をユーザーに見せていきましょう。
【起業信頼度を高めるポイント】
・起業してからの年数
・販売実績
・提携メーカー・取引企業
・実店舗がある場合には実店舗の写真や所在地
・社歴
・表彰歴・ランキング実績
・研究実績
・社員総数、支社数、営業所拠点数
・経営方針 等
【企業情報コンテンツ例】
≪はちみつ専門ショップ・ハニーハニートラベラーズについて≫
ハニーハニートラベラーズは、S県T山の麓にある「H養蜂所」の直営ショップです。H養蜂所は明治3年に養蜂を開始し、100年を経た現在も伝統的な養蜂技術を守り続けています。長らく地元店舗での限定販売としていましたが、2000年より他地域での販売を開始。東京日本橋・M百貨店「S県物産展」等に参加し、限定100個の純粋蜂蜜完売といったご好評を得ております。2010年にオンラインショップでの通信販売を開始致しました。スタッフ3人の小さなショップですが、昔ながらの蜂蜜の味を皆様にお届けできるよう日々尽力しています。
アピールできるポイントが少ない時には「顔写真」を!
「新しい店舗だから、実績が全然ない」…そんな時には企業情報コンテンツに「経営者」や「スタッフ」の笑顔の顔写真を掲載するようにしてみましょう。人は「顔が見える相手」に対しての警戒心を緩めるという心理傾向を持っています。通販会社のサイトで社長が顔写真を出しただけで、売上が2割上がったという報告もあるほどなんです。アピールポイントが少ないときほど、企業情報に「笑顔で爽やかな顔写真」を多めにアップしておきたいですね。
3.「商品品質の信頼性」を上げるには?→「開発ヒストリーコンテンツ」
既にヒットしている商品やロングセラー商品は、「多くの人が買っている」という点で「信頼感が高い」と感じられます。例えば「販売総数10,000個突破」「ランキングサイトで週間1位獲得」と言われれば、「それなら良いものなのだろう」と考える人が多いわけです。「小ヒットがホームランを生み出す」という仕組みなんですね。
しかし新製品やまだ認知度が高くない製品については、消費者の誰もが「製品の品質」に疑問を感じます。とは言え、「とにかく良いものなんです」と言われただけで納得する人は居ません。そこで重要になるのが、製品の「開発ヒストリー」です。
製品へのこだわりや開発の苦労をエピソードに
日本人は「苦労を重ねたもの(手間をかけたもの)ほど成果が高い」と感じる「プロセス重視」な心理傾向を持っています。例えば「開発者が研究開始から3日で合成に成功した薬」と「20年かけて辿り着いた薬」、どっちが「効きそう!」と思いますか?開発までのプロセスが多い「20年かけた薬」の方が凄そうですよね。「プロセス開示」を行うことで、消費者側は製品への品質イメージを無意識のうちに上げるというわけです。
【製品開発エピソード例】
・原料選定へのこだわり
・原料の安定した獲得への苦労
・製品開発までの失敗例
・組み合わせ・ブレンドの徹底した挑戦やテスト 等
4.「購入選択への不安」を減らすには?→「権威コンテンツ」
上記のようなコンテンツで「この店舗と商品、良さそうかも」と感じた消費者。でも自分自身の判断が本当に合っているのか不安…「センスが良いと思われたい」「良い店を知っていると思われたい」といった「プライド」を気にする人ほど、「自分の判断」に対しても不安を覚えます。自分の選択が「賢い選択/正しい選択」なのかがわからない–つまり「自信が無い」というわけですね。
こんな時に消費者の背中を押してくれるのが、「権威者」の発言です。「権威」とは、カンタンに言えば「その道の専門家や成功者」ということ。例えば「プロの人気美容師」が進めるヘアトリートメントって、とても効果がありそうに感じませんか?「開発者本人」ではない第三者の「権威者」が製品・店舗を勧めることで、消費者の不安は大きく取り除かれるのです。
【権威者の選択例】
・敏感肌向けの基礎化粧品→美容皮膚科医による解説
・ヘアケア製品→美容師、ヘアメイクアップアーティストによる使用感想
・20代女子向けアパレルショップ→読者モデル、Instagramで人気の女性(インフルエンサー)の感想
・レストラン・居酒屋→ 飲食系の人気ブロガーによる感想 等
超有名人を「権威者」として呼ぶのはちょっと難しい…という場合には、人気のブロガーやSNSのインフルエンサー等に宣伝依頼をしてみるのも手。また医師・薬剤師・弁護士・栄養管理士といった士業関連の専門家に解説を加えて貰えれば、製品品質の高さを示す大きなポイントにもなります。
5.「ベネフィットへの不安」を消すには?→「レビュー・体験談コンテンツ」
「消費者が求めるものは、実は商品・サービスそのものではない」--マーケティングのこんな理論を知っていますか?顧客が本来求めているのは、商品やサービスを使うことによって得られる「より良き自分<ベネフィット>」であると考えられています。ですからどんなに「製品自体」が良いものであるという製品価値がわかっても、「自分をより良い状態へと導いてくれる」というイメージが湧かなければ、消費者の購買欲求は本当には刺激されません。
「この商品・サービスにはベネフィットがある!」と見込客に感じさせるポイントが、「他のユーザー」による使用体験談やレビューです。他のユーザーとは「作り手側」ではなく「利用者側」ですから、見込客にとってはより自分に身近な存在ですよね。更に年齢層・生活環境等が似通った人が「良いものだった」という体験談を掲載すると、見込客側は「自分もこうなれる!(今よりも幸福、充実、成功した自分になれるイメージ=ベネフィット)」と感じやすくなるんです。
体験談は「個人情報の多さ」がポイント
ユーザーによる体験・感想がいくら多く掲載されていても、それが無記名のもの、誰なのかがわからないものでは見込客側は「イメージ」が湧きません。体験談掲載をする場合、できるだけ利用客の「人となり」がわかることが大切です。
【体験談の有効性をアップさせる情報】
・体験者の顔写真
・体験者の氏名(仮名・イニシャルでも可)
・体験者の年齢(30代・40代といった大まかなものでも可)
・体験者の職業・ライフスタイル(主婦・子育て中のママ・キャリア女性・既婚/非婚等)
・体験者の手書き文字(満足の旨を書いた手紙の画像等)
また多くの顧客に「自分に近い人が製品に満足している」と感じさせるには、いくつかの体験談パターンを掲載した方が有効です。
【体験談掲載パターン例】
≪大人女性向けエイジング化粧品使用体験談の場合≫
・40代の子育て中のママ→本格エイジング対策を開始した使用感想
・50代の主婦→肌の蘇りを実感した使用感想
・60代のキャリア女性→勤務先で若く見られるようになったという使用感想 等
共感を得られる体験談をチョイス
体験談では、見込客の「不安」や「悩み」に寄り添うような内容を選ぶのがポイント。見込客達が読んで「そうそう!」と頷きながら共感し、その不安・悩みが製品・サービスによって解決された…これが基本の流れになります。
共感度が高ければ高いほど、その体験談を読んだ見込客は「自分と同じだ」と書き手と自分を重ね合わせることに。製品やサービスを使って「レベルアップした体験談の客」を目にすることで、見込客は「自分も同じようになれるだろう」と無意識に判断し、購買意欲を大きく刺激されるのです。
【体験談エピソード例】
≪脱毛専門サロンの場合≫
・20代前半の女性(仮名S・Tさんより)
脱毛をする前はカミソリでワキを剃っていたんですが、夏場になると剃り跡が恥ずかしくてノースリーブも水着も着られず…。このままではダメだと思い、脱毛専門のAAAサロンを選びました。最初は「痛いかも」と心配でしたが、初回の体験では「え?もう終わり?」というほどの刺激。これなら大丈夫!と思い、6ヶ月コースを契約しました。営業時間が夜10時までなので、会社帰りにもラクラク通えたのが良かったです。今ではワキに自信あり!ノースリーブを堂々と着られるようになり、会社でも「オシャレになった」「明るくなった」と言われるようにもなりました。
おわりに
見込客の不安を消す「信頼感を上げるコンテンツ」、実例を見てみると「そう言われてみると、あの通販サイトでもやっている」「通販のテレビ番組でも見たことがある」というものも多いですよね。上記のような「信頼コンテンツ」の重要性は長年のマーケティング理論によって確立されたものであり、Webマーケティングに限らずテレビ・雑誌といったメディア型の宣伝にも活用されています。
また信頼感をアップさせるコンテンツは、通信販売系サイトに限らず飲食店・美容サロン等幅広い店舗のマーケティングで効果を発揮してくれます。「サイト経由の集客・売上率が良くない…」と感じたら、上記のような信頼度を上げるコンテンツを充実させるようにしてみましょう。ほんの少しの手間をかけてサイトを充実させるだけでも、訪れるユーザーの反応は大きく変わってくるはずですよ。
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