Web制作関連入門

ホームページとウェブサイトは違う?同じ?正しい意味と使い方

ホームページとウェブサイトの違いを説明できますか?例えば「ホームページ制作」「ウェブサイト制作」と書いてあった場合、この2つが同じなのかどうかと悩む人も多いはず。「なんとなく」で使っているネット用語の意味や使い方をそのままにしておくと、思わぬ行き違いが起きる可能性もあります。

「ウェブサイト」と「ホームページ」の本来の意味や使い方をキチンと知って、今後のネット関連の活動やマーケティング等に役立てていきましょう。今回は「ウェブサイト」「ホームページ」の意味や正しい使い方を詳しく解説していきます。

ウェブサイトの意味と使い方

ウェブサイトの意味と使い方
まずは「ウェブサイト」の意味について見ていきましょう。

ウェブサイトとは

ウェブサイト(Web-Site)とは、複数のウェブページをまとめた集まりのことを意味します。Webサイトと表記したり、単に「サイト」と呼ぶこともあります。

Webサイトの種類の例
公式サイト:組織や団体等が運営するウェブサイトのこと。例えば飲食店Aの店主がWebサイトを開設した場合、そのサイトはA店の「公式サイト」として扱われます。
 
ECサイト:ECは「エレクトロニック・コマース」の略で、電子商取引を表し余す。カンタンに言えばオンラインショップのことです。amazonや楽天等は有名ですね。

一例として、食品企業である「永谷園」の公式サイトを見てみましょう。
【永谷園】https://www.nagatanien.co.jp/

公式サイトのトップページには、「商品情報」や「アレンジレシピ」「キャンペーン」「CMページ」「イベント」「お問い合わせ」等の各種のコンテンツが並んでいます。これらのWebページをすべてまとめたものが「サイト」というわけです。

元々の英語の「Site(サイト)」は「敷地」や「場所」等を意味しています。玄関があり、居間があり、子ども部屋があり…ひとつのサイトとは、多様な部屋(コンテンツ)がある大きな家のようなものと例えられるかもしれません。

ではウェブページとは何?

「ウェブサイトはウェブページをまとめたもの」と言われて「ではウェブページって何だろう?」と首を捻った方も居るかもしれませんね。

ウェブページ(Web-page)とは、インターネット上で見ることができる、ウェブブラウザで閲覧可能な「1ページ」の文書ファイルのことを意味しています。ウェブブラウザとは、「Internet Explorer(IE)」や「Google Chrome」「Firefox」等のネット閲覧用のアプリケーションのこと。iOS用の「Safari」等は、スマホやタブレット用のウェブブラウザです。

例えば今ご覧いただいているこのページの上から下までが、1枚の「ウエブページ」ということになります。

ブログもWebサイトなの?

一流企業による美しい公式サイト等を見ていると「トップページがキチンとあって、動画等の様々なコンテンツが並んでいないと『ウェブサイト』ではないのでは?」と思ってしまう人もいるかもしれません。

でも実はサクッと作れる「ブログ」だって、厳密に言えば「Webサイト」なんです。「ブログサイト」というサイトの一種類なんです。

ブログの1ページも、ネット上で見ることができる「Webページ」ですよね。ブログはそれらをまとめたものですから、厳密に言えばブログも「Webサイト」ということになります。

ホームページの3つの意味と使い方

ホームページの使い方
次に「ホームページ」の意味について見ていきましょう。実はホームページには、3つの異なる意味があるんです。

1.ブラウザ起動時の最初のページ

そもそも「ホームページ」という言葉は、Webブラウザの起動時に表示されるページという意味合いから生まれました。Webブラウザとは、前述したとおりネット閲覧をするためのアプリケーションのことです。

PC用のインターネットブラウザの場合、起動をすると最初に何らかのページが表示されますよね。デフォルト(標準)の設定の場合、ホームページはこんな設定になっています。

ブラウザのホームページ設定
Internet Explorer:msnjapanのポータルサイトトップページ
Google Chrome:Googleの検索ページ
Firefox:トップサイトや検索スペースの表示

このようなPC版ブラウザのホームページの設定は、各ユーザーが好みで自由に設定しなおすこともできます。例えば自分で作ったブログをホームページにすることも可能です。

ブラウザの「家」のマークのボタン(ホームページボタン)を押せば、いつでも最初のページ(ホームページ)に戻ることができます。

ネット閲覧をスタートする時に見て、いつでも好きな時に戻れる「ホーム(自宅、自分の基地)」のような場所… ホームページとは、元々そのような存在だったのです。

2.ウェブサイトのトップページ

80年代終盤に世界でインターネットが広まる中、ネットユーザーたちはサイトのトップページのことを「ホームページ」と呼ぶようになりました。

トップページとは、各サイトでページ指定を行わない場合、最初に表示されるページのこと。雑誌でいえば「表紙・目次」とも言える存在です。

例えば「アサヒビール」の公式サイトの場合、「アサヒビール」でGoogle検索して最初に出てくるページがトップページであり、ホームページということになります。
https://www.asahibeer.co.jp/(※PC版)

PC版の公式サイトの場合、このトップページから「企業情報」「レシピ情報」等のWebページに推移しても、左上の「Asahi」のロゴマークをクリックすれば最初のページに戻ることができます。

「スタートであり、いつでも戻ることができるページ」…「1.」で解説した「ブラウザのホームページ」の意味に似ていますよね?「各サイトのホーム」という意味から、サイトトップページは「ホームページ」として扱われるようになったのです。

3.ウェブサイトそのもの

90年代に入ると、日本でもネットをする人が増え、サイト制作を個人で行う人が増えてきました。今のブログやSNSを作るような感覚で、趣味のサイトや自分自身の日常生活等を発信するサイトを作る人が一気に増加したのです。

そんな中、当初は「トップページ」として扱われてきたホームページが「サイト全体」を表す言葉として使用されるようになりました。「A(ユーザー名)のホームページ」等、ユーザー名・ハンドルネームを冠に付けた個人サイトも多数登場します。

「様々なコンテンツをまとめた基盤(ホーム)だからホームページ」「自分達のホームだからホームページ」…様々な解釈が行われる中、「Webサイト=ホームページ」という概念が日本で定着していったのです。

2020年がまもなく訪れる現在でも、各企業・団体では「A社のホームページ」として公式サイト全体を紹介しているところが多々あります。ライトユーザー層を中心に、日本では広い世代で「ホームページ=ウェブサイトである」という感覚が根付いたと言えるでしょう。

「ウェブサイト=ホームページ」の使い方で大丈夫?

ウェブサイト=ホームページ
上記の「ウェブサイトの意味」「ホームページの意味」を見た上で、今後の「ホームページ」という言葉の使い方を考えていきましょう。

国内の使用であれば問題なし?

上記でご紹介したとおり、日本のネットの歴史の流れでは「ウェブサイト=ホームページ」という考え方はほぼ定着したものであると言えます。

特にネットにあまり詳しくないライトユーザー層、高齢層等に対しては「聞いたことがある」「なんとなくわかる」という意味で「ホームページ」という言葉を使う企業・団体が多い傾向です。各自治体も「公式ホームページ」という名称を採用する傾向が見られます。

ホームページ呼称がOKな場合

ターゲット層は日本人のみ
幅広い世代に向けたサイト
親しみやすさを大切にするサイト
ターゲット層はネットのライト層が多い
ターゲット層はファミリー層や高齢層
多くのユーザーを集めたい時のSEO対策

上のようなウェブサイトの場合には、サイトのことを「ホームページ」と呼称した方が伝わりやすいと考えられます。

例えば家族連れや年配の方も多くいらっしゃる飲食店であれば「お店のホームページもあります」といった紹介をした方が、お客様にもわかりやすいのではないでしょうか。

国内ユーザー限定で、なおかつ「わかりやすさ」を求めるのであれば、「ウェブサイト=ホームページ」という使い方をしてもほぼ問題は無いと言えます。

海外ユーザーにはNG!

ではどんなサイトも「ホームページ」という言葉を使って良いのか?というと、残念ながらそれは違います。

上でご紹介したとおり、ウェブサイト全体を「ホームページ」と呼称するのはほぼ日本で独自発生したローカルな言い回しです。「ホームページ」という言葉自体は英語にもありますが、「サイト自体」を示す言葉としては「和製英語」の一種だと言えます。

つまり、英語ユーザーに「homepage」といった場合、上でご紹介した「1.」のブラウザのホームページ、または「2.」のサイトトップページという意味だと思われてしまうというわけです。

ホームページ呼称がNGな場合

外国人観光客の訪問も多いサイト
海外ユーザーも呼び込みたいサイト
英語表記や英語テキストが多いサイト
海外向け対応サイトを制作する場合

上記のような場合には、「homupage」という呼称は避けて「ウェブサイト(Website)」という言い方を使った方が行き違いを防げます。

なお海外対応を考える場合、英語ページだけ「Website」にして日本語ページは「ホームページ」で…という方法はあまりおすすめできません。情報収集に熱心な海外ユーザーの場合、日本語ページの情報をチェックしているケースが多々あります。誤訳になりやすい単語の掲載は避けた方が良いです。

外資系企業とのやりとりにもNG

今後の取引先として外資系企業を狙っている、外資とのつながりを太くしたいと思っている…こんな時にも「ホームページ」の使用は避けた方が良さそうです。

前述のとおりWebsiteを「ホームページ」と記載するのは日本独特の和製英語的表現です。「我社のホームページを御覧ください」と言えば、その人が英語に長けていないことや、国際表記に弱いことは相手に伝わってしまいます。

国際化を推進したい時や外国語対応に力を入れたい時等にも、やはり日本独特の表現は避けておいた方が無難でしょう。

「ホームページ」はかっこわるい?

日本人ユーザーをターゲットにしたマーケティングの場合でも、「ホームページ」という呼称を避けるケースは頻繁に見られます。

「ホームページ」という言葉に「古い」「いけてない」「残念」といった印象を持つユーザー層も居ることも、その理由に挙げられるでしょう。

前述したとおり、「ホームページ」という言葉が大きく流行したのは2000年前半頃まで。Web2.0以降はブログやSNSが台頭し、個人で「ホームページ」を制作する人も少なくなりました。そのため30代~50代前後のネットユーザーの場合、「ホームページ」は「古いネット用語」といった感覚を持つ人も多いのです。

また若年層が好むスタイリッシュなアパレルブランドやヘアサロン・飲食店等の場合、英語表記を多く取り入れる傾向も。そのため「ウェブサイト」または「サイト」という呼称を使う店舗が数多く見られます。

【飲食店の例】
サロン・デュ・ショコラ日本公式サイト
http://www.salon-du-chocolat.jp/
 
【ヘアサロンの例】
SHIMA OfficialWebsite
http://www.shima-hair.com/
 
【アパレルブランドの例】
ナノ・ユニバース公式通販サイト nano・universe
https://store.nanouniverse.jp/jp/

以下のようなサイトを運営するのであれば、表記は「ウェブサイト」「サイト」とした方が良いかもしれません。

ウェブサイト表記が好まれる例
ターゲット層が30代~40代以下
スタイリッシュなイメージをアピール
デザインを重視したサイト
国際的な雰囲気を重視 等

またインターネット知識の深さ等をアピールしたい時にも「ウェブサイト」表記の方が有効と言えそうです。

おわりに

ホームページとウェブサイトの違いや意味、使い方等の情報はいかがだったでしょうか?一見するとまったく同じものに見えますが、その中身には意外と差がありますね。今後のマーケティングの方向性を振り返って、「ホームページ」を使うか「ウェブサイト」で攻めるかを決めていきましょう。

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