業種別HP集客方法

旅館の集客率を変える!5つのWebマーケティング術

2020年の東京オリンピックを前にますます活気づいている観光業界。地域によっては、空前の旅館不足となっているところもあるほどです。しかし観光施設の増加で顧客獲得競争は熾烈となった結果、地方によっては集客に悩む旅館施設も多数見られるようになっています。

今後の旅館経営を考える上では、インターネットによる集客・つまりWebマーケティングは必ず視野に入れなければいけません。しかし中小規模の旅館の中にはいまだWebマーケティングが追いつかず、それが集客の足を引っ張っているケースも多々見られます。

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「あなたの旅館の良さ」を多くの人に知ってもらい集客に繋げるために、今日からWebマーケティングプランを練り直してみましょう。ここではそのヒントとなる集客術を5つ、詳しく解説していきます。

1.「楽天トラベル・じゃらんだけ」からの脱却を!

ネットを使った集客・Webマーケティングというと、『楽天トラベル』や『じゃらんnet』『トリバゴ』等の大手登録サイトを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし『楽天』『じゃらん』に登録だけしている…という状態では、マーケティングをしているとは言いづらいところがあります。大手サイトは上位表示がされやすいといったメリットを持つ分だけ、意外とデメリットも多いのです。

登録型サイトのデメリット
・大手旅館・ホテルの方が有利になりやすい:一般的な登録型サイトの場合、オプションの広告代を多く払っている旅館施設の方が上位に表示されやすいです。そのため広告費が多く出せない中小規模の旅館は不利になります。
 
・個性が打ち出しにくい:登録型サイトのデザインは、基本的に画一的。またテキスト量もかなり厳しく定められているケースが多いため画一的になりやすく、見込客に覚えてもらいにくい傾向があります。
 
・手数料が発生する:登録型サイトを経由した場合の予約手数料は、平均8%前後。しかし今後、この手数料が8%でとどまるかどうかはわかりません。特に中小規模の旅館にとって、登録サイトの手数料は大きなダメージになります。
 
・リピーターが作りにくい:登録型サイトのみを閲覧するライトユーザーの場合、その時々のキャンペーンやクーポン狙いで使用旅館を頻繁に変える傾向があります。リピート利用が下がる一因ともなりかねません。

上記のようなデメリットは、旅館業がネット集客を行う上でよく考慮しておかないといけないポイントです。とは言え、登録サイトを利用するのは悪い手ではありません。むしろ「登録しておかないといけない」というくらいの必須条件です。

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ではどうしたらいいのか?登録サイトへの登録は持続しつつ、「自社によるWeb宣伝・Web集客」をもっと充実させていく必要があります。楽天トラベル』や『じゃらん』だけに頼り切らない、2本立て・3本立ての集客戦略を立てるのです。

2.自社ホームページのSEO対策をしよう!

自社主体で行うWeb集客術のベースとなるのは、旅館そのもののホームページ(公式サイト)です。ただし、ホームページは「ただ作って置いてあれば良い」というものではありません。

インターネット上での消費者アンケート調査では、旅館を探すユーザーのうち、実に63%が「旅館の情報を2つ以上のサイトから収集する」と回答しています。つまり『じゃらん』等の登録サイト上であなたの旅館を見つけたユーザーは、今度は「旅館名」「旅館名+地名」等で旅館に対する情報を探そうとするというわけです。

さて、ここで旅館のホームページが以下のような状態であったらどうでしょうか?

【旅館公式ホームページの悪い例】
・旅館名の一部で検索しても、Googleの最初の1ページ目に公式サイトが見つからない
・地域名+旅館で検索しても、Googleの最初の1ページめに公式サイトが表示されない
・公式サイトは表示されたものの、ホームページのデザインが古い
・ホームページがいつ更新されたかわからない
・旅館ホームページの画像が魅力的ではない

残念ながら、これでは「この宿にしよう!」とユーザーが考える決め手になるどころか、マイナスポイントにしかなりませんね。特に問題なのが、公式ホームページであるにも関わらずGoogleでの表示順位が低く、1ページ目にすら表示をされないケースです。

いくら魅力的な旅館施設であっても、その情報がユーザーに届かなくては意味がありません。!「ホームページ・公式サイトが見つからない(見つけにくい)」という状態は、Web集客をする上で絶対に避けるべき課題なのです。

関連記事:E-A-T(専門性・権威性・信頼性)とは?SEOのための基礎知識と対策
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SEO対策の手始めは「テキスト量のアップ」!

上記で解説したとおり、Web集客を行うにあたっては「公式サイト(公式ホームページ)がGoogle検索で上位表示されるか否か」が大きなポイントとなります。この問題を解決するにあたり、多くの企業が取り組んでいるのがSEO(検索エンジン最適化)対策です。

SEO・検索エンジン最適化に成功するにあたっては様々な方法がありますが、「今までSEOをほとんど行ったことが無い」という場合、ひとまず取り組むべきは「テキスト量(情報量)のアップ」と言えるでしょう。

Googleは、「ユーザーが役立つサイト」の方を上位に表示させるという指針を持っています。つまり情報量が多く密度の高いサイトの方が目立つ場所に表示してもらえるというわけです。反対に画像ばかりのサイト、テキスト量が少ないサイトの場合、「ユーザーへの貢献度が低い」と測定され、表示順位は後回しにされてしまいます。

特に旅館業のホームページの場合、「窓からの眺望」や「温泉の風景」といった「画像」に力を入れるあまり、テキストでの説明がおざなりになってしまうケースが多いです。

【旅館公式ホームページのSEO失敗例】
・画像のキャプション程度しかテキストがない
・地名・駅名等のワードをあまりテキストに入れていない
・1ページあたりのテキスト量が500~600文字以下
・公式ホームページとじゃらんに同じテキストを掲載している

現在のホームページの状態について、上記のリストに思い当たる点が多い場合、旅館業のWeb集客の手始めとしては「ホームページに入れ込むテキスト」の見直し・増量をすることをおすすめします。

3.サイト構成は定期更新を考えたスタイルに!

「ある程度テキストにも力を入れた旅館のホームページを作ったつもりだが、上位表示もされないし、Web集客がうまくいかない…」このようにお悩みの方、そのホームページの「最終更新日」はいつですか?「料金やサービスの変更が無いから…」といって、何ヶ月、何年もホームページの更新を放置してはいないでしょうか。

自分が客になった立場で考えてみましょう。例えば旅館以外の飲食店、美容院等の予約のために、ある店舗のホームページを訪れたと想像してみてください。

【旅館公式ホームページの「古い」例】
・ホームページのデザインが古い
・最終更新日が何年も前のままになっている
・リンク切れがあちこちにある
・スマホ用のページが無い
・画像や動画の解像度が低い(画像が粗い=使用機器が古い)
・古い情報を訂正しないままに掲載している

こんなホームページを見たら、「この店は大丈夫だろうか?」と不安になる人の方が多いはずです。店舗・企業のホームページは、見込み客側から見れば「店先をのぞいている」のと同じこと。頻繁に更新されているページは活気がある雰囲気をユーザーに与えますが、放置された古いページは「すすけた、人が来ない、閑散とした、人気の無い雰囲気」を顧客にイメージ付けてしまいます。またSEO対策的にも、情報が古いままのサイトは良くありません。

・定期的な更新を行えるコンテンツをサイトに置く(お知らせページ、地域情報ページ等)
・外部の無料ブログを廃止し、ホームページ直下に自社のブログコーナーを設置する
・サイトデザインをリニューアルする
・全ページでスマホ対応とし、常に最新のユーザー環境に対応できるようにする

上記のような対策を行って、お客様に常に「新しいフレッシュな情報」を与えられるページづくりを心がけましょう。

4.ホームページからの予約誘導はスムーズ?

旅館業のインターネット集客における最終的な目標として「公式サイト(公式ホームページ)からの予約率のアップ」は欠かすことができないポイントと言えるでしょう。いくらPV率(サイトを見られる数値)が上がったとしても、集客に直結するCV率(コンバージョン率)が上がらなければ「集客に成功した」とは言い難いところです。

「旅館の公式サイト・公式ホームページはあるけれど、そこからの直接予約があまり取れていない」という場合、ホームページの予約への動線がうまく作れていない可能性が考えられます。

【旅館公式ホームページの予約取り込み失敗例】
・公式ホームページに「申込フォーム」が無い(メールでの問い合わせのみ等)
・ホームページから1回で申込みが完了しない(折返しの電話が必要となる等)
・申込みフォームの場所がわかりにくい
・ホームページのWEBセキュリティ対策が弱い(SSL非対応等)
・公式サイト・ホームページ経由での予約に特典が無い
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上記に思い当たる点が多い場合、見込み客は「予約がしにくい」と感じたり、「このページから予約をするのは不安だ」「自分に得が無い」と感じて回れ右をしているかもしれません。

ホームページ制作側が考えるよりも、ユーザー側は面倒くさがりです。「ホームページの中を隈なく見て回る」といったことは基本的にしない、と考えましょう。また初めて使うサービスに対しては臆病でもあります。興味を持ってホームページをのぞき込んだユーザーが流れるように予約へと迎えるような動線作りと対策が重要なのです。

・トップページ以外、各ページからも申込みフォームにアクセスできる
・申込みフォームはプルダウン式等で、ユーザーが記入する部分の手間が省けている
・特別サービス・特別割引等のサイト予約特典がある
・個人情報保護等のセキュリティ対策について明記されている
・申込みから旅館到着までの流れがわかりやすく説明されている

公式サイトからの直接予約で獲得したユーザーに対しては、メールマガジン登録・SNS登録等の条件付きによるさらなる特典を提示してみるのも良い手といえるでしょう。メルマガやLINEなどで繋がりを持つことで、リピーターになってくれる確率も高まります。

関連記事:メルマガ登録数・売上アップ!メールマガジン📧の書き方や作り方・配信の5つのヒント

なお公式サイトからの直接予約では、楽天ポイント・じゃらんポイントといった大手のポイントサービスが利用できないといったユーザーにとってのデメリットがあります。その点を考慮して、「それでも公式サイトを使った方が良い」とユーザーが判断できるような魅力的な特典を提示することが大切です。

5.「コンセプト」「ターゲット」の選定は後追い厳禁!

上記のような改善点を踏まえて、これから公式サイトを作る、公式ホームページを全面的に改定する…そのような場合、気をつけておきたいのが「サイトコンセプト」の決め方です。サイトコンセプトとは、カンタンに言えば「どんな客に見てほしいのか?客に何をしてほしいのか?」をハッキリと決める根幹ということになります。

旅館のターゲットについて「若い女性にたくさん見てもらって話題にしてほしい旅館」と「富裕層のリピーター客を獲得したい旅館」では、サイトコンセプトがまったく違ってきます。もちろん、サイトデザインも打ち出すべきキャッチコピーも違ってくることでしょう。残念ながら「万人にウケるホームページ」というものはありません。「誰にウケたいのか」をしっかりと決めていく必要があるのです。

旅館業が今後のWEB集客で成功するためには、自社旅館の「コンセプト」や「ターゲット」をしっかりと見据えなくてはなりません。「同じ地域の競合がこの手でウケたから、ウチも同じ方法で…」という後追い策では勝ち残れないと考えましょう。

 生しらすが人気の地域での旅館宣伝
・競合店舗が「朝食には生しらす丼!」をアピールしている場合
→ 同じ「生しらす丼」だけをアピールするのはNG。「生しらすかき揚げ」「ワインに合う生しらすメニュー」等の別メニューを推すか、「地元ならではの釜揚げしらす」の美味しさをアピールする 等

「この旅館でしか食べられない食事」「この旅館だけで行っているサービス」といった個性や強みがあれば、それらに需要を持つターゲット層を強烈に掴むことができます。必ずしも新しい旅館施設、広い旅館施設ばかりが「魅力的」となるとは限りません。「自旅館ならではの強み」を最大限に発揮できるコンセプトをしっかりと定めてからサイト作りに取り掛かりましょう。

おわりに

現代の日本の旅館施設では、多くの潜在的な魅力を持っているにも関わらず、ネット上でのアピールがうまくいっていないばかりに集客に苦労しているケースが多々見られます。「売り物」ではなく「見せ方」を変えることで、旅館のネット集客率は大きく変わってくるものです。

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まずは日頃のスマホ利用時等のユーザー目線に立ち返り、自社のホームページを見直すところからスタートしてみましょう。

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