Webマーケティングの基礎となる公式ホームページやブログの運営…それらを円滑に行うために、必須とも言える存在がレンタルサーバーです。かつては「容量が小さい」「障害が多い」とも言われていたサーバーのレンタルサービスですが、現在では大規模有名サイトのほとんどがレンタルサーバを利用する等、Webサービスの根幹ともなる位置を占めています。
でも「これからサイト運営をスタートする」「無料ブログ・無料ホームページサービス等からステップアップしたい」という場合、どのレンタルサーバーを選べば良いかまったくわからない…という人も多いのではないでしょうか。レンタルサーバー選びに失敗せず、ソンをしないためには、自社のニーズにピッタリと合うサーバーを選ぶことが大切です。ここではレンタルサーバーを選ぶ際に気をつけておきたい8つのポイントを、詳しく解説していきます。
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1.共用・専用・VPS…レンタルサーバーの種類を知ろう
レンタルサーバーには大きく分けて「共用サーバー」「専用サーバー」「VPS」の3種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、サイトの内容や自分の適性、費用面の問題等を鑑みて、ベストな種類を選びましょう。
共用サーバー
一台のサーバマシンを複数ユーザーで共有して使うスタイルのレンタルサーバーです。共有・共用というスタイルであることからこの名称が付きました。もっとも一般的な利用スタイルであり、「レンタルサーバー=共有サーバー」という認識を持っている人が多いです。
● 料金が安い:共用サーバーは複数人で利用する分、ユーザー一人あたりの料金が比較的安く設定されています。
● サービスが扱いやすい:多くの人が利用しやすいように、設定等がビギナー向けになっています。初心者ユーザーにも取り組みやすいのが魅力です。
【デメリット】
● 容量が限られる:サーバーのCPUやメモリを各ユーザーが分けて使用するため、マシン性能をフル活用はできません。とは言え近年では一台の性能が大きく向上しているため、かつての共用サーバーに比べればCPUもメモリの規模も安定した数値になり、ある程度の大規模サイトの運用にも使用できる共用サーバーも登場しています。
● 自由度が低い:サービス設定の自由度がある程度限定されるサーバーも多いです。
専用サーバー
共用サーバーとは異なり、一台のサーバマシンをユーザー一人が使用するスタイルのサーバーです。
● 性能をフルに使える:サーバ一台のSPUやメモリを独占して使用できるのが大きな魅力です。負荷の高いプログラムを動かしたり、大量アクセスに対応する超大規模のサイト運営を行うこともできます。
● 自由度が高い:サーバー設定の自由度は高く、自分好みのスタイルでサーバー運用ができます。
【デメリット】
● 料金が高い:サーバー一台分の料金をユーザー一人で賄う必要があるため、使用料金は高額になりがちです。
● 難易度が高いサービスも:サーバー設定等の難易度は、共用サーバに比べると少し高くなります。サービスによってはマニュアルの難易度も高めなので、一定の知識が求められることもあります。
VPS(仮想専用サーバー)
共用サーバーと専用サーバーの特徴を兼ねたようなサーバーです。一台のサーバマシンの中に仮想マシンを複数立ち上げ、その仮想マシン一台をユーザー一人に割り当てます。仮想マシンの中で、ユーザーは専用サーバーのようにサーバー運用を行うことができるのです。
● 他ユーザーからの影響を抑えられる:仮想マシン一台ごとの区切りがあるため、共用サーバに比べて他ユーザーの影響を大幅に抑えることができます。
● 専用サーバーより料金が安い:実際には一台のサーバを共用しているため、料金は共用サーバと同じ程度の安さになります。
● 自由度は高い:仮想マシン一台あたりの管理者権限が得られるので、自由度は非常に高くなります。データ削除等も制限なく行なえますし、インストール可能なソフトの種類等も幅広くなっています。
【デメリット】
● 専門知識は必須:サーバ設定等は基本的にすべて自分で行う必要があります。コード等の専門知識が必要になりますので、ビギナーには不向きです。
2.サーバーの容量をチェックしよう
運営したいサイトにサーバーの容量が合っているかどうかを確認してみましょう。サーバーディスク容量は、できれば多いに越したことはありません。しかしディスク容量が多いほど、基本的には料金も高くなります。「ちょうどいいところ」がわからなくて困っている…という人も多いかもしれませんね。
比較的シンプルなサイトであれば、容量50GBもあれば十分事足ります。またページ数1,000を超えるようなサイト・動画等が多めのサイトであっても、1サイトあたり100GBがあれば取り急ぎ困ることは無いはずです。サイト運営ビギナーであれば、とりいそぎこれらの数値を参考にしておけば良いでしょう。
なお「料金が安いから」といって、あまりにも容量の小さいサービスを選ぶのはNG。あとあとサーバ移行で面倒になりますので、容量に余裕は持たせておくことをおすすめします。
3.サーバーの転送量・同時アクセス上限数は?
転送量とは、サイトやブログを通じて発生した通信量のこと。スマホでネットを見た時に発生する通信量と同じようなイメージです。
ただしスマホとは違って、通信量を発生させるユーザーはあなた一人ではありません。あなたのサイトにアクセスしたユーザーそれぞれの通信量が総計されますから、アクセスが増えれば増えるほど、通信量が比例して増加していくことになります。
サーバーによっては、1日あたり・1ヶ月あたりの転送量の上限を定めているところも。特に安価なライトプランの場合、1日あたりの通信量上限が5GB程度しかないサービスもあるので要注意です。
サイトへのアクセス数が伸びてきた時にも余裕をもてるよう、転送量に余裕をもたせているサーバーを選びましょう。個人向けの小規模サイトならば1日40GB、もう少し余裕をもたせたいのであれば1日150GB程度があれば安心です。
また急なアクセス数の増加に備え、アクセス数拡張機能等があるサーバーを選ぶのも良い手と言えます。
4.レンタルサーバーのスペックは?
次に、レンタルサーバーのスペックをチェックしてみましょう。基本的にはパソコンを買うときと同じような感覚です。
● OS:サーバーを動かしているOSは何かという情報です。 レンタルサーバーの場合、Linux/Unix系が一般的。まれにWindows系もありますが、この場合には大きくアピールしているので一発でわかります。
● CPU性能:サーバの処理能力のことです。基本的には「1.8GHz」とか「2.4GHz」等、クロック数の数値が大きいほど処理速度が早いことになりますが、情報公開をしているサーバーは少なめです。
● メモリ(RAM):サーバーの記憶能力のこと。よく「机の広さ」にも喩えられます。RAMが多いほど安定してサイトを動かすことができ、様々な仕事が一挙にできるので速さも出ます。こちらも「16GB・24GB」等、数値が大きいほど記憶能力が高いです。
なお細かいスペックについては、情報公開を制限しているレンタルサーバーが少なくありません。また公表している処理速度が数値そのまで実際のサービスで発揮されるか?というと、これにもやや疑問が残ります。あくまでも参考情報として捉えておいた方が良いでしょう。
5.独自ドメイン登録可能数は?
ドメインを複数設定して、複数のサイトを運営したいという場合、ドメイン登録数をしっかり確認しておきましょう。割当可能なドメインが1つしか無い!という場合、サブドメインでしか対応ができなくなってしまいます。
また激安系のレンタルサーバープランの場合、そもそも独自ドメインが登録できないような設定になっていることも。「安いから」と安易にドメイン登録数が少ないサーバーを選び、後々「しまった…」と頭を抱えないように、必要な数+α程度の余裕を持った登録数のサーバを選びましょう。
6.メールアドレス作成可能件数は?
レンタルサーバーではメールアドレスの作成もできます。最近では無制限に作成ができるサーバーも珍しくなくなりましたが、プランによっては登録可能数に上限があったり、メアド1個までしか登録できない、といった超お手軽プランもあったりします。
サイト運営上、ユーザーとのやりとりや問い合わせ窓口としてもメアドはいくつか設置しておきたいもの。後々「メアドが足りない!」といったことにならないように作成可能件数もチェックしておきましょう。
7.レンタルサーバーの料金をチェックしてみよう
サイト運営をしていく上で気になるのが、レンタルサーバーの費用面ですよね。初めてレンタルサーバーを借りる場合に見落としがちなポイントを解説します。
「初期費用」に要注意
「初期費用」とは月々に発生する「月額料金(月額費用)」とは異なり、レンタルサーバー会社と契約してレンタルを開始する際に最初の1回払う費用です。マンションやアパートを借りる時に払う「敷金・礼金」と同じような感覚と言えます。
初期費用の金額は、おおむね月額費用の2倍~3倍といったところです。初期費用の請求はだいたい1回目の月額費用の支払いに上乗せされますので、初回だけはサーバー会社に支払う金額が高くなりますからご注意ください。
なお各レンタルサーバー会社では、「初期費用半額」「初期費用無料」等のキャンペーンを定期的に行っています。気になっているサーバー会社があったら、こまめにサイトをチェックしておくとお得にレンタルサーバーが契約できますよ。
最低契約期間・最低利用期間を確認!
「レンタルサーバーの月額料金が安い!」と思ったら、最低契約期間が長かった…というケースは珍しくありません。最低契約期間・最低利用期間とは、契約開始から終了(解約)までの下限のこと。例えば「最低利用期間」が6ヶ月の場合、6ヶ月間は解約やより安いプランへの変更ができません。
サイト運営を行う場合、3ヶ月ペースでサーバをお引越し…ということは稀ですから、最低利用期間3ヶ月程度であればまったく問題は無いでしょう。ただし最低利用期間24ヶ月(2年)といった年単位での契約は避けた方が良いかもしれません。
特に初めてのレンタルサーバー利用の場合、「思っていたより使い心地が良くない」「障害が出た」「下位のプランでも良かった」といった変更希望点は多く出るものです。安い月額料金につられて最低利用期間が長い契約を結んでしまうと、気軽なレンタルサーバー会社の変更もできなくなってしまいます。長期契約のデメリットも考慮しておくことが大切です。
8.サポート体制はニーズに合っている?
最後にしっかり確認しておきたいのが、レンタルサーバー会社のサポート体制です。カスタマーサポートの設置レベルは、レンタルサーバー会社によって大きく異なります。携帯電話のキャリア企業や家電メーカーのように、必ずしも手厚いサポート体制があるとは限らないのです。
Sクラス:メールの他、電話やチャットでも問い合わせができる。チャットのサポート時間は24時間対応。土日でも電話問い合わせができる。
Aクラス:電話・チャット・メールでの問い合わせ可能。土日も問い合わせができるが、リアルタイムの問い合わせ対応は時間が限られている。
Bクラス:メール以外に電話でも問い合わせできるが、平日10:00~18:00等、営業時間が限定される。
Cクラス:電話やチャットの窓口が無い。メール問い合わせのみ。
サイト運営初心者、レンタルサーバー利用が初めてという場合、最低でもAクラス、できればSクラスレベルのサポート力があるレンタルサーバー企業を選ぶことをおすすめします。万一のトラブルはいついかなる時に起こるかわかりません。「困った!」となった時にすぐに頼れるところがあった方が良いです。
メールでの問い合わせの場合、返答が翌営業日となるようなケースは多々見られます。リアルタイムで問い合わせができる「電話」または「チャット」の存在と対応時間はよくチェックしておきましょう。
おわりに
レンタルサーバーの選び方の8つのポイントはいかがでしたか?レンタルサーバーユーザーの中には、ついつい安い月額料金に惹かれて契約してしまった…という失敗パターンも多く見られます。見た目の安さだけに惑わされず、サポート体制や同時アクセス上限数などにもしっかり着目して「良いレンタルサーバー」を選びましょう。
運営サイトのニーズに合うレンタルサーバーを選び出すことは、Webマーケティングの結果を成功に導く大きな要素ともなりますよ。
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