会社や店舗等の企業ホームページの制作において、何より重要なのは「コンテンツの充実度」です。もちろん「ホームページという存在があれば良い」という名刺代わりのようなお飾りのサイトで良いのであれば、デザインに気を遣い見た目さえ良ければある程度の出来栄えにはなることでしょう。
しかし「取引先を増やす」「売上・集客を伸ばす」を目的とした攻めのWebマーケティングを行う場合、企業ホームページの見栄えだけでは結果は出せません。SEO対策という意味でも、コンテンツという「ホームページの中身」が問われるのです。
では実際に、企業ホームページ制作ではどのようなコンテンツが必要になるのでしょうか。ここでは基本の7つのコンテンツと、より戦略的な5つのコンテンツについて詳しく解説していきます。
企業ホームページに必須!7つの「基礎コンテンツ」
企業が法人サイトを設置する場合、まず以下の7つのコンテンツは必須です。ホームページのオープン後に徐々に充実させる」では間に合いませんので、すべてのページを完成させておく必要があります。
万一現在の企業ホームページにコンテンツの抜けがあった場合には、できるだけ迅速にコンテンツ(Webページ)の制作に取り掛かりましょう。
1.企業概要・企業沿革
企業概要は、運営企業の基本的な情報や、創立から現在までの略歴を知るためのコンテンツです。企業概要では、主に次のような情報を掲載します。
【企業概要に必須の情報】
・会社名
・代表者名
・所在地
・電話番号
・受付対応時間
・主な事業内容
・設立年
・資本金
・従業員数
・売上高・営業利益
・主要取引先
・取引銀行
・取得免許・許可
・設立から現在までの企業略歴
会社名~取得免許までの情報は、表形式にして簡潔にまとめても構いません。電話番号や受付時間・従業員数等に変動があった場合には、こまめに内容をアップデートしましょう。
企業概要は「信頼獲得」の第一歩
どんなに小規模な企業や店舗サイトの場合でも、企業概要は設置すべきです。概要は名刺における「住所」や「電話番号」の記載のような役割を果たします。
どこに所在するどのような規模の会社かがわからなければ、見込み客や取引先は企業に信頼を置くことができません。
企業概要コンテンツは目立つ場所に置く必要はありませんが、トップページ下・右上等、トップページからワンクリックで遷移できるような箇所にリンクを起きましょう。
2.事業紹介
自社の事業内容を記載するコンテンツです。カンタンに言えば「どんな商売をしているのか?」を読者にスピーディに伝えることを目的としています。
会社紹介の紙面型パンフレットがあり、その項目に「事業紹介」があれば、同じスタイルの文章でもOKです。
事業内容は「わかりやすさ」を重視
事業内容説明では内容は簡潔でも構いませんが、専門的な用語はできるだけ省きましょう。門外漢の人(素人)にも伝わるような言い回しをしてあげるのが理想的です。
3.企業理念
企業理念とは、事業展開におけるモットーや考え方を伝えるコンテンツです。
価値観:事業活動において何を重視しているか
設計:どのような将来展望を描いているか
思想:何を願って創立をしたか、会社に託するものは何か
指針:向かうべき方向性をどのように考えるか
企業理念では他社との違いをアピール
企業理念や指針は、競合他社との違いをアピールする「差別化」の場でもあります。ありふれた言葉で場を濁さず、自社の個性を打ち出すことを意識しましょう。
4.代表者挨拶(代表者紹介)
代表者挨拶とは、企業代表・取締役社長等、経営責任者の人物紹介を行うコンテンツです。訪問者に対しての挨拶に加え、経営者・責任者の人物情報を公開して信頼性の獲得に努めます。
代表者の顔写真は必須
代表者の「顔出し」は原則として必須と考えましょう。顔を見せることでサイト訪問者は警戒感をほどき、企業に対する信頼度を強めます。
5.商品・サービス案内
自社で扱う製品・サービスの紹介を行うコンテンツです。顧客の獲得・売上アップ・取引先増加等を狙うホームページの場合、このコンテンツがメインの役和を果たします。
後述する戦略的コンテンツも、原則的にはすべてこの「商品・サービス案内」に関連づいたサブコンテンツとなります。
コンテンツ名称に注意
商品・サービス案内やその他サブコンテンツ等の商品関連コンテンツを複数設置する場合には、コンテンツの名称をわかりやすくすることに気をつけましょう。顧客側がほしい情報に一度でたどり着けるよう、動線を考えることが大切です。
6.お知らせ・ニュースリリース
企業の公式の情報を常に最新で配信するためのコンテンツです。またサイト内の各コンテンツの更新情報をわかりやすくまとめておくと、リピーターのサイト訪問者が更新内容をスピーディーに把握することができます。
更新が気楽にできるCMS導入が理想的
企業サイトでは、リアルタイムでの最新情報の提供と頻繁な定期更新が必要になります。社内広報担当・Web担当等がスムーズに更新作業を行えるよう、専門技術を必要としなくてもサイト更新が行えるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を導入することをおすすめします。
7.問い合わせ
顧客やビジネス提携希望者・求職者等がスムーズに企業とコンタクトを取るためのコンテンツです。
電話問い合わせ窓口
問い合わせフォーム
チャット窓口
上記のような対応窓口に的確に訪問者を振り分けます。
顧客の手間を減らす工夫を
問い合わせに対応可能な窓口が異なる場合、「製品・サービス問い合わせ用窓口」と「求職者用窓口」を分けるといった対策も必要です。
売上・集客アップに!5つの「戦略的コンテンツ」
上でご紹介した7つのコンテンツは、どのようなスタイルの企業であっても必ず設置すべき「当然のコンテンツ」です。しかしこれらのコンテンツを掲載しているだけでは、多量の企業サイトとの競合に勝つことはできません。
Googleでより上位表示され、なおかつ来訪した顧客達に「魅力的だ」と思われるには、さらに攻めたコンテンツの設置が求められるのです。
1.親近型コンテンツ
顧客や求職者・未来の取引先等に「この会社(製品)は魅力的だ」と感じさせるには、会社や製品のことを深く知ってもらうことが大切です。
しかし単なるデータや数値を羅列するだけでは、相手のことをよく知れませんよね。生年月日や血液型を見るだけで相手の「人となり」がわからないのと同じです。親近型コンテンツでは、より「人そのもの」を見せることを重視します。
従来の営業マン達が顔と顔を合わせて話すことで得てきた『共感』を、今度はコンテンツという形で獲得していくのです。訪問者達と企業の距離感を縮めるには、製品や社、働く人々の「ヒストリー」を見せる手が有効とされています。
製作者・研究者のインタビュー
製作者の苦労や制作にかける思いを語ってもらう形で、製品・サービスの成り立ちや機能性、魅力を別の形で伝えることができる。
プロジェクトストーリー
開発までの軌跡を追うストーリー型の構成とすることで、表面的な製品紹介よりも深く企業理念や製品への思いを見せることができる。
企業ヒストリー
データを表面的になぞる「沿革」よりもさらに「創業からの歴史」を細かく振り返ることで、企業の指針や受け継がれる思いをアピールする。
2.教育型コンテンツ
教育型コンテンツとは、カンタンに言えば訪問者の「知りたい・わからない」を解決するためのコンテンツです。自社が取り扱う製品・サービスに関連する、見込み客達にとって「役立つ情報」を提供していきます。
調味料メーカーの場合 自社調味料を使ったレシピ集
アパレルメーカーの場合 似合う色の選び方、コーディネート実例
化粧品メーカーの場合 動画によるメイク技術指南
ヘアサロンの場合 シャンプーの選び方、ヘアケアのコツ 等
教育型コンテンツの展開によって、次のようなマーケティング効果が期待できます。
Googleでの上位表示(SEO対策)
製品・サービスに関連するワードが入った「役立つ記事」を掲載することで、自社サイトへの流入者の増加が期待できます。またサイト全体の情報量のアップ、ユーザー目線の情報増加によって、Googleからの評価が上がる可能性も高いです。自社サイトが全体的に上位に表示され、マーケティングに有利に働く結果を狙います。
企業への好感度アップ
役立つ情報の定期的な配信によって、見込み客の企業への好感度がアップします。いわゆる「企業のファン」「ブランドのファン」を作れる可能性も大です。
他製品・サービスへの興味関心を増やす
例えば「シャツ」を購入した顧客が「上手なコーディネートの仕方」として「シャツに合うボトム・バッグ・小物」等のコーディネート指南を閲覧すれば、提案された商品への購買意欲を刺激されます。この他、自社の別事業・別サービス等に興味関心を持ってもらうためのチャンスともなるコンテンツです。
3.顧客情報収集コンテンツ
サイトに来訪した訪問者や購入者からの情報を収集するコンテンツです。集めた情報は今後の製品開発やコンテンツ展開等にも役立てていくことができます。
サンプル送付:化粧品サンプル、健康食品等。無料サンプルの送付だけでなく、安価なトライアルキット・お試しセットの提案等も有効です。
資料請求:外国語教室、高齢者向け施設、教育関連施設、海外旅行等。パンフレットの送付時にアンケートを取り、居住地区や年代・趣味嗜好等の情報収集を行います。
アンケート:製品・サービスについてのアンケートや、Webコンテンツについての意見募集等。アンケート回答者に対してはサイト内サービスで利用できるポイント等を進呈します。
情報収集型コンテンツの展開で重要なのは、必ず訪問者側になんらかの「報酬」を与えるという点です。「無料で製品がもらえる」「ポイントがもらえる」「抽選でamazonギフト券」等、報酬が無ければ訪問者は手間がかかる情報提供は行いません。
アンケートや情報入力にかかる時間や記入量等を考えつつ、その手間に見合った報酬を提案することが大切です。
4.リピーター獲得向けコンテンツ
特にBtoC向けの企業サイトの場合、いくら訪問者が一度に大量にやってきたとしても、リピーターがつかめなくては意味がありません。週に一度、月に2~3回といったペースで定期的にサイトに訪れて企業との接触回数を増やしてこそ、真の「企業のファン」を育成できるのです。
訪問者を「リピーター」へと育てていくためには、企業サイトの中身が一度で読みきれるのではNG。また定期的な更新が行われていることをアピールすることで、複数回の定期訪問へと誘導します。
会員制フォーラム:サポートフォーラムや口コミフォーラム、お悩み相談といった形で、顧客同士の交流の場を設けます。
連載記事の掲載:ライターによるコラム、4コママンガ等、週1回等の定期ペースでの情報発信を行います。
メルマガ発信:各種イベントやフェア等の情報を定期的にお知らせする他、URLのクリックによるポイント進呈等を行うことでサイトへの定期訪問を促します。
SNS連携:TwitterやLINEアカウントでのフォロー・友だち登録を行ってもらい、SNSを顧客への定期的な情報発信の場とします。
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5.BtoB担当者向けコンテンツ
BtoBでサイトに訪れる訪問者の場合、部門・担当によって必要とする情報が大きく異る場合があります。例えば「実際に製品の使用をする」という立場の場合であれば商品機能・仕様等についての詳細な情報を求めることでしょう。
しかし導入者・予算決定担当の場合、商品仕様よりもコストパフォマンスやメンテナンスにかかる費用、業界における普及率といった情報を重視する傾向が見られます。
「利用側」「決済者側」等、各担当の求める情報を提供できるコンテンツを設置することが大切です。
おわりに
企業ホームページに設置すべき基礎コンテンツと戦略的コンテンツについて、なんとなくイメージが掴めたでしょうか?「こんなにたくさんのコンテンツが必要なのか」と驚かれた方もいるかもしれませんね。
一度競合他社のサイトをのぞいて、どのようなコンテンツが設置されているかをチェックしてみるのも手です。「見た目のデザイン」ではなく「コンテンツの充実度」という目線で他社サイトを見ることは、良い参考になること間違いなしです。
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